【今回の場面】一方その頃ユージーンは!
前回の記事ではラプンツェルとゴーテルの緊迫したやりとりをご紹介しましたが、一方で衛兵に捕らえられて処刑寸前のユージーンは一体どうしているのでしょう?
こちらもさぞ緊迫した状況かと思いきや…
なんと!
〝かわいいアヒルの子〟にいたならず者たちが、ユージーンを助けに来てくれたではありませんか!
ラプンツェルとゴーテルの場面がシリアスだからこそ、ギャグ満載のこのユージーン救出劇は良い気分転換になりますね。
さすがディズニー、メリハリの付け方が本当に上手です!
しかし… あの愉快なならず者たちは、一体どうやってユージーンが城に捕まっていることを知ったのでしょう?
そう、実はマキシマスが彼らを呼びに行ってくれたのです。
こうしてようやく協力し合える関係になれたユージーンとマキシマスが目指すのは、当然ラプンツェルがいるはずの森の奥のあの塔です!
今回はそんな場面でのユージーンの台詞を取り上げます。
英語と日本語吹替、それぞれにユージーンの性格がよくあらわれている面白い台詞ですので、楽しく比較していきましょう♪
〝全速力〟を英語で表すとどうなる?
ゴーテルに塔に連れ戻されたラプンツェルのもとへと急ぐユージーンとマキシマス。
一分一秒でも早くラプンツェルの無事を確認したいユージーンが、マキシマスに対して、
全速力で走ってくれ!
と指示したくなるのは想像に難くありません。
さあ、この〝全速力で〟を英語でどう表現すればよいでしょう?
まずは私が使っている『ウィズダム和英辞典』で「全速力」と引いてみると、
- full speed
- top speed
という表現が紹介されていました。
実際の英文の中で使う場合は、前置詞と組み合わせて次のように使います。
Maximus ran at full speed.
(マキシマスは全速力で走った。)
なので、マキシマスに全速力を出して欲しければ、
Run at full speed!
(全速力で走れ!)
という命令文で指示しても、じゅうぶん意味は伝わります。
しかし実際にその場面のユージーンの英語の台詞を確認してみると、どうやらもう少しだけひねった言い方をしているようでして…
Let’s see how fast you can run.
塔の上のラプンツェル 01:21:30~
先ほど辞書を引きながら作った英文に比べて長めですが、一緒に構造を見ていきましょう!
英語の文を日本語に訳すときは、文の頭から順に訳していくとわかりやすいので、今回もその方法で考えていきます。
まず let’s see は〝見てみよう〟という意味ですね。
さて一体何を見てみるのか?
その次には how という単語がありますね。
how は「どれくらい」という意味で疑問文を作る時に使う単語。
相手に年齢を尋ねるときに使う次のような表現が有名ですね!
How old are you? (あなたは何歳ですか?)
この文を〝知っている〟などの別の文と組み合わせる&主語と動詞(ここではyou と are)を入れ替えることで、次のような文を作ることができます。
I know it. (私はそれを知っている。) + How old are you? (あなたは何歳ですか?)
↓
I know how old you are.
(私はあなたが何歳か知っている。)
ユージーンの台詞も仕組みは同じ。
how 以降の部分は、元々は次のような疑問文だったと考えられます。
How fast can you run?
この文ならサクッと訳せる人も多いのではないでしょうか?
そうです、〝あなたはどれくらい速く走れますか?〟という意味です。
先ほどの let’s see (見てみよう)と How fast can you run? (どれくらい速く走れるの?)を組み合わせたこの英文は、直訳すると、
おまえがどれくらい速く走れるか見てみようじゃないか
という意味になります。
素直に全速力をお願いするのではなく、マキシマスの能力を試すような物言いが、いかにもユージーンらしくて面白いですね!
意外にお茶目?吹替の台詞の言葉遊びにニヤリ
英語版では少しひねりの効いた言い回しでマキシマスを鼓舞していたユージーン。
日本語字幕ではシンプルに「全速力で走れ」と訳されているこの台詞ですが、日本語吹替では一体どうなっていたか、皆さんは覚えていますか?
実はこんな日本語訳になっていました!
Let’s see how fast you can run.
塔の上のラプンツェル 01:21:30~
お前のマックススピードを見せてくれ。
「マックススピード」って、普段あまり使わない言い回しだと思うのですが…
まさかこれって… マキシマスのあだ名が〝マックス〟だから、マックススピード…?
つまりダジャレってこと!?w
日本語吹替では何の変哲もない台詞でも、元の英語の台詞を見てみると英語ならではのジョークが含まれている…という話はよくあります。
しかし、英語の台詞は特にウケを狙っているわけではないのに、日本語に訳すときにあえてジョークやダジャレを仕込む、というのは、なかなかレアなパターンではないでしょうか!?
ちなみに、この日本語吹替のユージーンの台詞を見ているうちに
そもそも英語に max speed という表現は存在するのか?
という疑問がわいたので調べてみたところ…
…という結果でした。
やっぱり〝全速力〟を英語で表現するなら full speed や top speed のほうが一般的みたいですね!
【まとめ】〝全速力〟の英語表現あれこれ♪
最後に今回の記事の内容をおさらいしましょう♪
今回の記事では〝全速力〟というワードに注目しました
・〝全速力〟を表すのによく使われる英語表現は
full speed や top speed だよ!
・ユージーンはマキシマスに全速力を出させるのに
Let’s see how fast you can run.
(おまえがどれくらい速く走れるか見てみよう)という
表現をしているよ!
・日本語吹替の台詞に出てくる
「マックススピード」= max speed は
実際の英語ではあまり使われていなさそうだよ!
ラストに向けた緊迫した場面ですが、英語でも日本語吹替でも、ユージーンらしいユーモアにくすっとなる台詞ですよね♪
この調子でハッピーエンドに向けて私たちもさらに学習スピードを上げていきましょう!!!
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