Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪
今回は『ピーター・パン』より、mean の意外な用法を使ってティンクへの想いを表現しているピーター・パンの台詞を取り上げます。
【今回の台詞】命がけの救出劇
今回取り上げる台詞はこちら。
You mean more to me than anything in this whole world!
ピーター・パン 01:06:15~
フック船長が送り込んだ時限爆弾によって吹き飛ばされてしまったピーター・パンと迷子たちの隠れ家。
そんな壊滅的な状況の中でもピーターの命が助かったのは、爆発ギリギリのところでできるだけ爆弾をピーターから引き離してくれたティンクの活躍があったからでした。
瓦礫の山の奥からかすかに聞こえる鈴の音を頼りに、ピーターはティンカー・ベルの姿を必死で探します。
ティンクは最後の力をふりしぼって、海賊に捕らえられているウェンディや迷子たちを助けに行くようにピーターに伝えますが、ピーターはそれよりもティンクを助けるほうが先だと言い張り…
という流れの中でピーター・パンが口にするのがこの台詞です!
ウェンディ、人魚たち、タイガー・リリー…とここまで数々の女性キャラと浮名を流してきた(?)ピーター・パン。
そしてその様子に嫉妬の炎を燃やし、ウェンディを本気で始末しようとしたり、フック船長に騙されて隠れ家の場所をバラしたりと、数々のやらかしをしてきたティンカー・ベル。
(…こうして改めてふり返ってみると、ディズニーを代表する有名キャラの割に、ディズニーキャラクターらしからぬ行動ばかりしてますね、このふたり 笑)
そんなふたりが最後の最後でお互いを思いやる様子を見せてくれるのが、なんとも感動的ですね♡
ティンクのことを大切に想う気持ちを伝えている台詞、ということは、状況から察することができますが、そこに出てくる動詞は love や like ではなく mean。
mean といえば「…を意味する」という意味で記憶している人も多いはずで、ドラマティックな場面とは縁がなさそうな動詞ですが、実は使い方次第で相手に熱い想いを伝えることもできてしまうのです!
今回はそんな mean の意外な使用方法について深掘りしてみたいと思います!
【今回の注目ポイント!】mean のドラマティックな使用法
You mean more to me than anything in this whole world!
mean を辞書で引いてみると…
先ほども書いたとおり、 mean の意味としていちばんポピュラーなのが「…を意味する」です。
‘Arigato’ means ‘Thank you’ in English. (「ありがとう」は英語で ‘Thank you’ という意味です。)
というように、外国語の説明や、あと難しい言葉の定義を説明するときなどによく使われるイメージだと思います。
しかし、それ以外にも色々と使い道がありまして…
たとえば、mean には「〈意図・意味など〉を言おうとする」や「…するつもりである」という意味も辞書に載っています。
何か誤解を生じて〝そんなつもりで言ったんじゃないよ〟や〝騙すつもりはなかったんだ〟と弁明したいときによく使われるイメージです。
(なんというか、ディズニー映画でよく見かけるシチュエーションですよね 笑)
I didn’t mean that. (私はそんなつもりで言ったのではありません。)
I didn’t mean to tell you lies. (私は嘘をつくつもりじゃなかったんです。)
では今回のピーター・パンの台詞に使われている mean は一体どんな意味の mean かというと、これが辞書の mean の項目の中でもかなり最後の方に載っている意味で…
〝〈人・物・事〉 mean 〈程度〉 to 〈人〉〟で「〈人・物・事が〉〈人〉にとって〈程度〉の重要性を持つ」という意味があります。
ぶっちゃけこの意味だけを見ても〝なんのこっちゃ〟という感じだと思うので、実際に例文を見てもらいましょう。
Disney movies mean everything to me. (ディズニー映画が私にとってのすべてなんです。)
こんなふうに〝○○は私にとってのすべてなの!〟というように強い愛を表すときに使うことができるわけです。
推し活や、あとキャラクターグリーティングでも使えそうな表現ですね♡
more の品詞にも注目!
ここからは少しマニアックな文法の話になりますので、読み飛ばしていただいても大丈夫です 笑
先ほど紹介した mean のいろんな使い方ですが、すべての使い方に共通するのは、これらの mean はすべて他動詞として使われている、ということ。
他動詞は後ろに必ず目的語が置かれる動詞であり、目的語になる単語の品詞は名詞だけと決まっています。
さて、今回のピーター・パンの台詞を見てみると…
You mean more to me than anything in this whole world!
…あれっ?
目的語の位置に more という単語が???
more って many や much の比較級では???
ってことは、これ、どう考えても形容詞では???
↑という不安な心の声が出てきたので、慌てて more を辞書で引いてみたところ、当然最初に出てきたのは形容詞としての意味だったのですが…最後のほうにありました!
名詞として「それ以上の事[物、人]」という意味があるとの記述が!!!
これで文法的にもばっちり説明がついて、ほっと一安心ですね♡
・「…を意味する」というイメージの強い mean という単語だが
〈人・物・事〉 mean 〈程度〉 to 〈人〉で
「〈人・物・事が〉〈人〉にとって〈程度〉の重要性を持つ」という意味を表せる
【読解 tips】〝世界〟でいちばん、じゃまだ足りない!
続いてその他の細かい単語やイディオムをチェックにしましょう!
とはいえ、 mean も more も【今回の注目ポイント!】でがっつりチェック済みなので、ここでは簡単に単語をひとつだけ確認しておきます♪
You mean more to me than anything in this ①whole world!
①【単語】whole … 全体の、すべての、全…
この whole は形容詞で、意味は「全体の」「すべての」「全…」。
今回の台詞では world を修飾しているので、〝この全世界で〟という感じでしょうか?
〝世界でいちばん〟以上に強い想いが込められているのが伝わってきて感動しちゃいますね♡
ちなみに当ブログの他記事でもこの whole は登場しておりまして…
「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」のハロウィーン回で、スタン大叔父さんの台詞を取り上げたときに紹介しています。
このときは〝家族みんな〟を表現するときに使われていました。
【和訳に挑戦!】直球の愛の台詞♡
それではここまでの情報をまとめて和訳にチャレンジしてみましょう!
You mean more to me than anything in this whole world!
まずは〈人・物・事〉 mean 〈程度〉 to 〈人〉で「〈人・物・事が〉〈人〉にとって〈程度〉の重要性を持つ」という辞書の訳にそのままあてはめてみましょう。
〈人・物・事〉にあたるのが you (=ティンク)、〈程度〉が more 、〈人〉が me (=ピーター・パン)なので…
〝君は僕にとってそれ以上の重要性を持つ〟
という直訳になります。
これで You mean more to me までは訳せたことになりますね。
次に、後半の than anything in this whole world の部分を訳してきます。
than anything は〝何よりも〟、 in this whole world は〝この全世界で〟と訳せるので、これを前半の内容とドッキングすると…
〝君は僕にとってこの全世界の何よりも重要性を持つ!〟
そして、これをもっとナチュラルな日本語にすると、
〝君は僕にとって世界じゅうの何よりも大切なんだ!〟
という感じでしょうか。
いやあ… 〝愛〟ですねえ…♡ (しみじみ)
ちなみに、公式の日本語吹替は、こんな日本語訳になっています。
You mean more to me than anything in this whole world!
僕にとって世界でいちばん大切なのは君なんだ!
英語の台詞を直訳すると〝君〟が主語になりますが、あえて順序を入れ替えることで、よりわかりやすくドラマティックになっていますね♡
作中でも特にピーター・パンがかっこいい場面ですので、ぜひぜひ英語でも日本語でもチェックしてみてください!
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