Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪
今回は『ピーター・パン』より、強調構文が含まれているフック船長の台詞を取り上げます。
【今回の台詞】フック船長の甘い罠
今回取り上げる台詞はこちら。
It’s that Wendy who’s to blame.
ピーター・パン 00:54:23~
前回から引き続きの登場となるフック船長の台詞です。
嫉妬深い女性を騙すなんて朝飯前!と豪語していましたね…
というわけで、早速スミーにティンカー・ベルを捕まえさせたフック船長は、自分の海賊船に彼女を招き入れ、ピーターに対するわざとらし~い反省の弁を並べたてます。
最初は当然警戒心をあらわにするティンクですが、フックがウェンディの話題を出すと、嫉妬モードに一気に突入!
ウェンディへの憎しみで、ティンクはフックの巧みな話術にまんまと乗せられていきます。
『ピーター・パン』でのティンカー・ベルは人間の言葉を話さないので、この一連の場面はフック船長が一方的にしゃべり(たまにスミーが合いの手 笑)、ティンクはボディランゲージでフック船長に意思を伝えます。
全身で表現される彼女の喜怒哀楽や、嫉妬のあまりに冷静さを欠いてしまう人間くささ…
ピーターやウェンディが大ピンチに陥るきっかけとなる出来事ではありますが、ティンクの魅力が詰まっていて、『ピーター・パン』の中でも私の大好きな場面です♡
そしてそんなティンクの可愛さに注目するついでに、フック船長の台詞が強調構文になっていることにも要注目!
これが理解できる&使いこなせると英語の読解や表現の幅がぐっと広がりますよ~♪
【今回の注目ポイント!】It is ~ that/who … の強調構文
It’s that Wendy who’s to blame.
〝ピーターが部屋にいた〟と〝部屋にいたのはピーターだった〟
さて、先程から〝強調構文〟という言葉を使っていますが、
〝そもそも強調構文ってどんなもの?〟
〝どういうときに使うの?〟
を日本語の例文で確認するところから始めてましょう!
せっかくなので『ピーター・パン』のシーンをイメージしながら、簡単な例文を挙げてみますね。
映画の序盤で、子供部屋にピーター・パンがいることに気づいてウェンディたちが大喜びしたりびっくりしたりする場面があったと思います。
もしそのシーンをノベライズするなら、あなたならその場面をどう表現するでしょうか?
〝ピーター・パンが部屋にいました〟と書いてももちろん間違いはないのですが、ちょっと語順を変えて〝部屋にいたのはピーター・パンでした〟と書くと、〝ウェンディたちが憧れていたあのピーター・パン!〟という部分が強調されて、よりドラマチックな感じがするかと思います♪
語順を少しいじって特定の言葉を強調する、というテクニックは、英語にも存在します。
実践!強調構文を作ってみよう
それでは先ほどの日本語の文に基づいて…
Peter Pan is in the nursery. (ピーター・パンが子供部屋にいます。)
という文を、〝ピーター・パン〟を強調した強調構文にしてみましょう!
【STEP 1】It is ~ の ~ の部分に強調したい名詞を置こう
このタイプの強調構文は、 It is ~ から文がスタートするのがお約束。
~ の部分に強調したい名詞を置きます。
今回の場合は〝ピーター・パン〟を強調したいので、It is Peter Pan となります。
【STEP 2】~ に入れた名詞の後ろに that または who を置こう
次に、~ に入れた強調したい名詞の後ろに that または who を置きます。
名詞がモノでも人でも that を使うことが多いですが、人の場合は who が使われることもあります。
今回紹介するフック船長の台詞では Wendy という人名に対して who が使われているので、例文もそれに倣って It is Peter Pan who としておきましょう。
【STEP 3】元の文の残った部分を that / who の後ろに置こう
ここまでくれば、あとは余ったパーツを最後にくっつけるだけ!
例文で残っているパーツは is in the nursery なので、それを文の最後に置くと…
It is Peter Pan who is in the nursery. (子供部屋にいるのはピーター・パンです。)
これで〝ピーター・パン〟の存在を強調する文の完成です!
・英文の中のある名詞を強調したいときの手順は、
①文を〝It is + 強調したい名詞〟でスタート
②強調したい名詞の後ろに that / who を置く
③その後ろに元の英文の残りの部分を置く
【読解 tips】 悪いのはだあれ? etc.
続いてその他の細かい単語やイディオムをチェックにしましょう!
It’s ①that Wendy who’②s to blame.
①【特殊な用法】that + 固有名詞
通常 Wendy のような人の名前には this や that がつくことはないのですが、ときどき〝例の○○〟的なニュアンスをだすために that がつけられることがあります。
日本語でも〝今日はなんとあの「ソアリン」がたったの30分待ち!〟(最近は毎日が混雑日なので、そんなの見たことないですが…笑)みたいな言い方をすることがあると思いますが、それに近い感覚ですね!
②【イディオム】be to blame … 責任がある
blame だけだと「〈人・物・事〉をとがめる」という意味の動詞ですが、 be to blame という組み合わせで使われると「責任がある」「責めを負うべきである」という意味になります。
どちらかというと、事故やミスの責任の所在を問うときなど、あまり楽しくないシチュエーションで使われる表現だと思いますが、覚えておいて損のない表現ですね…!
【和訳に挑戦!】嫉妬心にはご用心!
最後の仕上げに、この台詞を日本語に直訳してみましょう!
It’s that Wendy who’s to blame.
that Wendy を強調するために It’s から始まっていますが、もともとはこんな文だったと考えられます。
That Wendy is to blame.
この文章は先ほどの【読解 tips】で確認した内容を組み合わせれば訳せそうですね!
〝あのウェンディに責任がある。〟
その中でも that Wendy 〝あのウェンディ〟を強調しようとしているので、私なりに直訳すると、
〝責任があるのはあのウェンディだ。〟
という感じでしょうか。
公式の日本語吹替はこうなっています。
It’s that Wendy who’s to blame.
本当に悪いのはあのウェンディだ。
辞書では「責任がある」と少々堅い訳語が紹介されている be to blame ですが、なるほど、「悪いのは」と訳すと、一気に自然な雰囲気になりますね~!
そんなわけでウェンディの話題を利用して見事にティンカー・ベルの心をつかんだフック船長。
やっぱりただのお間抜けヴィランズではなく、なかなかの策士なんですね…!
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