Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、気になった文法事項や表現を紹介していきます。
今回は「ちいさなプリンセス ソフィア」のシーズン1第17話「エンチャンシアのうた」より、「クローバーが使うウサギならではの英語表現」のお話です!
かわいい顔して手強い!? ウサギのクローバー
「ちいさなプリンセス ソフィア」には個性豊かなキャラがたくさん登場します。
前回の記事ではセドリックさんに注目しましたが、今回の記事で注目するのは、ソフィアの友達の、ウサギのクローバーです。
見た目はかわいいウサギなのですが、ひとたびしゃべり出すと、声はおじさんで、台詞もけっこう早口!
そしてひねりの利いた冗談や言葉遊びもぽんぽん連発する!…という、英語学習者泣かせの存在です。
今回はそんな彼の〝ウサギならでは〟のとある表現と、わたくしmomijiの格闘記録(?)をお届けします!笑
「ぴょんぴょん跳ねて出ていけ」?
私が〝なんだこれは!?〟と困惑する台詞が登場したのは、ソフィアがセドリックの部屋から出てきてすぐの場面。
自分が何か悪い行いをしたせいでカエルの声が出る魔法をかけられてしまったらしい、と説明するソフィアに対して、クローバーはこんな反応を返します。
Hop out of town! I don’t believe it.
ちいさなプリンセス ソフィア シーズン1第17話 エンチャンシアのうた 00:11:33~
2つの文から成るこの台詞。
1文目のI don’t believe it.は特に問題なさそうです。
「俺は信じない」という直訳で十分意味が通ります。
ソフィアは基本的にとっても優しい良い子なので、彼女が悪い行いが原因で魔法にかかってしまうなんて信じられない!とクローバーが反応するのは当然の流れですよね。
問題は2文目のHop out of town!のほう。
直訳すると「町からぴょんぴょん跳ねて出ていけ!」という感じでしょうか?
字面どおりに受け取ったのでは、残念ながら意味が通じませんね…
だいたいこういうときは、〝実はこれはイディオムや慣用表現で、直訳とはまったく違う意味でした!〟というオチになることが多いです。
なので、私も電子辞書の成句検索でhopを含む成句を検索してみました。
…が!どんなに探してもこの台詞に一致するような表現は見当たりません。
ますます謎は深まるばかり…
ウサギの気持ちになって考えよう♪
しかしここで諦めてはいけません!
前項にも書いたようにhopの意味は「ぴょんぴょん跳ぶ」です。
ウサギはぴょんぴょん跳ねるように移動する生き物。
もしかするとクローバーは、人間のwalkやrun、あるいはgoなどと同じ感覚でhopという動詞を使っているのでは…?本来の表現ではhopではなく何か別の動詞が使われるのでは…?という仮説が浮かびました。
ということで、検索の切り口を少し変えて、hopが含まれた成句ではなく、out of townが含まれた成句で検索すると…
ありました!
圧倒的な収録語数の『リーダーズ英和辞典』のgetの項に、こんな表現が載っていました。
Get out of here [town]!
『リーダーズ英和辞典 第3版/リーダーズ・プラス』研究社
出ていけ;《俗》うそつけ, いいかげんなことを言うな.
「出ていけ」という意味はイメージがつきやすいですが(ホラー映画のタイトルにもありましたもんね、『ゲット・アウト』!)、その他にもスラング的な表現として「うそつけ」というものもあります。
2文目のI don’t believe itからもわかるように、この場面のクローバーは、良い子のソフィアが何か悪い行いをしたことが信じられずにいる状況。
ソフィアから呪いの話を聞いての第一声が「うそつけ!」なのはとても自然ですよね!
実際にこの部分の台詞の日本語吹替版での訳も次のようになっています。
冗談きついね。絶対ありえない。
ちいさなプリンセス ソフィア シーズン1第17話 エンチャンシアのうた 00:11:33~
これでもう間違いありませんね。
人間ならGet out of town!と言うところを、クローバーはウサギ流にHop out of town!と言っていたのです!
人間だとgetを使う場面も、ウサギのクローバーにかかるとhopに置き換わってしまう…
ちょっと特殊な台詞ではありますが、その謎を解読するのもおもしろい!と思えたら、きっと英語がもっと楽しくなるはずです♪
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