【リトル・マーメイドで英語学習】原級を使った比較表現でフランダーを応援しよう

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英文法的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った台詞を、文法の解説とともにご紹介♪

今回は『リトル・マーメイド』より、原級を使った比較表現が登場するセバスチャンの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】結婚式を阻止せよ!

今回取り上げる台詞はこちら。

Flounder, get her to that boat as fast as your fins can carry you.

リトル・マーメイド 01:07:50

『リトル・マーメイド』の物語もいよいよクライマックスですね。
エリックが別の女性と結婚することを知り失意のどん底にいたアリエルですが、なんとその女性の正体が変装したアースラだと発覚!
エリックとアースラの結婚を止めるため、アリエルと仲間たちは動き出します。

今回の台詞はそんな緊迫の場面からピックアップ!
結婚式が行われている船を目指してアリエルと共に泳ぎ出すフランダーに向かって、セバスチャンがかける台詞がこちらです。

原級を使った比較表現を学ぶのにぴったりの台詞となっていますので、今回はこの台詞を深堀したいと思います!

【今回の注目ポイント!】 原級を使った比較表現

Flounder, get her to that boat as fast as your fins can carry you.

今回の台詞では、原級を使った比較表現に注目!

そもそも原級とは何かというと、形容詞や副詞の元々の形のこと。
例えばこの台詞に使われている fast も原級の副詞です。

ちなみに、これが比較級になると faster 、最上級になると fastest と変化します。
fast・faster・fastest … big・bigger・biggest … というように、3点セットで学校の授業で暗記させられた思い出がある人も少なくないのではないでしょうか?

今回は、この3点セットのうちのいちばん基本の形、原級を使った比較表現を掘り下げていきますね!

〝同じくらい〟は as で単語をサンド!

AさんとBさんの身長を測ってみたら、背の高さが同じくらいだった。
AさんとBさんが50メートル走をしてみたら、走る速さが同じくらいだった。

こんなふうに、 A と B を比べてみたら、どちらも同じくらい○○だった!という状況のときに使えるのが、原級を用いた比較表現です。

as と as で形容詞または副詞の原級をサンドして、その後ろに比べた相手のことを書く、というのが、この表現の基本ルール。
例えば、先ほどの例でいうと、こんな感じになります。

Tom is as tall as Chris. (トムはクリスと同じくらいの背の高さです。)

Mary can run as fast as Kate. (メアリーはケイトと同じくらい速く走れる。)

まずはこの基本の形を覚えるところからスタートです!

応用編!〝できるだけ〟を表してみよう

この as と as で形容詞や副詞の原級をサンドする表現の応用編として、次のようなものがあります。

as ~ as one can 「できるだけ~」

実際の英文の中では、例えばこんな風に使われます。

Run as fast as you can. (できるだけ速く走りなさい。)

無理やり直訳するなら〝あなたが出すことができる MAX の速さと同じくらいの速さで…〟という感じでしょうか?笑
速度だけでなく、〝できるだけ早く起きてね〟や〝できるだけ速やかに宿題を終わらせてね〟など、いろんな〝できるだけ〟シチュエーションで使える表現ですので、ぜひ覚えて使ってみてくださいね♪

さらにこれの派生形として、こんなイディオムも辞書に載っていました。

as fast as one’s legs can carry one 「できるだけ早く」

先ほどの無理やり直訳に当てはめると〝one の足が one を運ぶことができる MAX の速さと同じくらいの速さで…〟となりますが、要するに〝できるだけ早く! さっさと! 急いで!〟という意味を表しているわけですね 笑

今回のセバスチャンの台詞の中にも、このイディオムにかなり近い表現がありますが、一部異なる単語があるようで…?
…というあたりのお話は、次の項で詳しく見ていくことにしましょう♪

A と B を比べてみて、どちらも同じくらい○○だった、という場合には
 as と as で形容詞または副詞の原級を挟み、
 その後ろに比べた相手について記述する、というのが原級を使った比較表現の基本形

・その原級を使った比較表現の応用編として、
 as ~ as one can 「できるだけ~」
 as fast as one’s legs can carry one 「できるだけ早く」といった表現もある

【読解 tips】海の生き物ならでは!の表現 etc.

続いてその他の細かい単語をざざっとチェックしていきましょう!

Flounder, ①get her to that ②boat as fast as your ③fins can carry you.

①【単語】get … 〈人〉を連れていく

〝初歩的な単語なのに、やたら意味が多い動詞〟の代表とも言える get 。
この台詞では、目的語が her (=アリエル)であったり、その後ろに to that boat という目的地を表していると思しきフレーズがあることから、「〈人〉を連れていく」という訳語がしっくりきますね!

②【単語】boat … 船、客船

boat と聞くと「イッツ・ア・スモールワールド」でゲストが乗るような小さな船を思い浮かべる人が多いと思います。
実際 boat は「小船」という意味がメインなのですが、実は略式表現として「客船」のような大きな船を指すこともあるんです!
エリックとバネッサが結婚式を挙げているあのそこそこ大きな船も、一応 boat と呼んでもオッケーというわけですね!

③【単語】fin … ひれ

お待たせしました!
as fast as one’s legs can carry one が「できるだけ早く」という意味なのは先ほど確認したとおりですが、この台詞では legs の代わりに fins という単語が使われています

fin の意味は「ひれ」
そう、魚のひれです!

まあ、 leg の意味はご存じのとおり「足」ですが、魚であるフランダーには足はないですもんね。
なのでセバスチャンは leg の代わりに「ひれ」を意味する fin を使っているというわけです。

swim という単語を使っていないにもかかわらず、 fin 「ひれ」という単語から泳いで船に向かうイメージが伝わってきて、なかなか上手い言い回しだな~と私は感心してしまいました!

この台詞の他にも、海の生き物向けに言い換えられた表現というのは『リトル・マーメイド』の中にはいくつか登場しますので、よければ探してみてくださいね♡

【和訳に挑戦!】がんばれ、フランダー!

最後の仕上げとして、ここまでの内容を総まとめ!
今回のセバスチャンの台詞の日本語訳を考えてみましょう♪

Flounder, get her to that boat as fast as your fins can carry you.

まず get her to that boat の部分は、先ほどチェックした単語の意味を組み合わせれば訳せそうですね。
〝彼女をあの船に連れていけ〟。
もちろん〝彼女〟とはアリエルのこと、 boat はエリックとバネッサの結婚式が行われている船のことです。

そこに今回のメインフレーズ as fast as your legs can carry youできるだけ早く」… のお魚バージョン、 as fast as your fins can carry you が付け加えられている、という構造になっています。

なので、台詞全体の直訳は…
〝フランダー、できるだけ早く彼女をあの船に連れていけ〟
という感じになります。

ちなみに、公式の日本語吹替の訳はというと…

Flounder, get her to that boat as fast as your fins can carry you.
フランダー、大急ぎでアリエルをあの船に運ぶんだ

人間の姿のアリエルが満足に泳げない状況であることを考慮してか、〝連れていく〟ではなく〝運ぶ〟という訳になっていて、原語以上にフランダーに対してハードな要求に聞こえるところが、ちょっとおもしろいな~なんて思ったりしました 笑
だって、あんな小さなフランダーが、自分の倍以上も体の大きさがあるアリエルを引っ張って泳がないといけないなんて…!

みなさんも、原級を使った比較表現を使うときは、この台詞とフランダーの活躍を思い出してあげてください!

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