語順に注意! 温かい飲み物には不定詞を添えて…【リトル・マーメイド(1989)】

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英文法的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った台詞を、文法の解説とともにご紹介♪

今回は『リトル・マーメイド』より、語順に注意が必要な to 不定詞の形容詞用法を用いたセバスチャンの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】セバスチャンの〝アリエルを連れて帰ろう〟作戦!

今回取り上げる台詞はこちら。

Come with me, I’ll take you home…
一緒に帰ろう。

…and get you something warm to drink.
宮殿で温かい飲み物でも飲んだほうがいい。

リトル・マーメイド 00:18:56~

『リトル・マーメイド』のハイライトと言えるシーンのひとつ、アリエルの「パート・オブ・ユア・ワールド」歌唱シーン…と見せかけて、今回はその直後の場面のセバスチャンの台詞をご紹介。

人間グッズのコレクションを隠している洞窟で、人間の世界への憧れを歌い上げるアリエルでしたが、彼女のあとをつけてきたセバスチャンがその歌をばっちり聞いてしまっていたから、さあ大変!
セバスチャンにアリエルの想いが理解できるはずもなく…

そんな場面で、セバスチャンがアリエルを洞窟から引き離して宮殿へ連れ帰ろうと、猫撫で声で彼女に語りかけるのがこの台詞、というわけです。

この台詞の中には〝不定詞〟が使われているのですが、不定詞を学校の授業で習うときに必ず教わる〝注意点〟〝引っ掛けポイント〟がばっちり含まれているのにお気づきでしょうか?

セバスチャンと一緒に、その引っ掛けポイントも含めて、不定詞の知識を深めていきましょう!

【読解のポイント】不定詞ってなあに? 形容詞用法ってなあに?

まずは不定詞の基礎基本からおさらいしていきましょう!

そもそも〝不定詞〟とは?

不定詞とは、to と動詞の原形を組み合わせて使うことで、その動詞に名詞や副詞、形容詞の働きをもたせることができる表現です。

文章で表現してしまうと非常にわかりにくいですが、実際の例文や訳し方の例を見ると、おそらく〝ああ、そういうことね〟と納得できるかと思います。

ということで、名詞、副詞、形容詞の3種類の働きを、それぞれ例文とともに確認しましょう!

①名詞用法 ~すること

His hobby is to collect dolls.
彼の趣味は人形を集めることです。

1つ目の働きは、動詞に名詞の意味をもたせることができる〝名詞用法〟
学校の英語の授業では〝~すること〟と訳しましょう!と習ったかたも多いと思います。

通常、動詞はその名の通り、文の〝動詞〟(S・V・O・C でいうところの V ですね)にしかなれない品詞ですが、その動詞の頭に to を付けて名詞用法の不定詞にすると、主語(S)にも目的語(O)にも補語(C)にもなることができるのです!
(ちなみにこの例文では不定詞が文の補語になっています)
便利ですね♪

②副詞用法 ~するために、~して

She came to Japan to visit Tokyo Disneyland.
彼女は東京ディズニーランドを訪れるために日本に来た。

I’m happy to see you.
私はあなたに会えて嬉しい。

2つ目の働きは、動詞に副詞の意味をもたせることができる〝副詞用法〟
学校の英語の授業では〝~するために〟、〝~して〟という訳で習うことが多いです。

そもそも副詞とは、動詞、形容詞、他の副詞、文全体などを修飾する品詞のこと。
なので、副詞用法の不定詞も、例文のように動詞(ここでは came)や形容詞(ここでは happy)を修飾することができます。

③形容詞用法 ~するための

I want something to drink.
何か飲む(ための)ものが欲しい。

ラストに紹介する働きは、動詞に形容詞の意味をもたせることができる〝形容詞用法〟
〝~するための〟という訳を学校で教わったかたが多いと思います。

〝形容詞〟の名の通り、形容詞用法の不定詞は名詞や代名詞を修飾することができます。

ただし、ひとつ気をつけたいのは不定詞を置く位置
〝形容詞〟と聞くと、 a big house (大きな家)、 a red bag (赤いかばん)のように、名詞の前に形容詞が置かれるイメージがあると思いますが、形容詞用法の不定詞は修飾したい名詞や代名詞の後ろに置かれるので要注意です。

・不定詞とは、 to + 動詞の原形 で動詞に名詞や副詞、形容詞の
 働きをもたせることができる表現
・3つの用法の代表的な訳し方はそれぞれ
 ①名詞用法 … ~すること
 ②副詞用法 … ~するために、~して
 ③形容詞用法 … ~するための

【続・読解のポイント】〝温かい〟はどこに入る? 語順の落とし穴

不定詞の3つの用法の確認が済んだところで、冒頭で取り上げたセバスチャンの台詞を思い返してみましょう。
アリエルに〝宮殿に帰って、温かい飲み物でも飲みましょう〟と提案する台詞でしたね♪

Come with me, I’ll take you home…
…and get you _____.

この空欄の部分に〝温かい飲み物〟という意味の英語が入るのですが…
さあ、これを不定詞を使って表現するなら、先ほど挙げた3つの不定詞の用法(名詞用法、副詞用法、形容詞用法)のうち、みなさんはどの用法を使いますか?

…そうです、形容詞用法を使います!
前項にも、
I want something to drink.
という、そのものズバリな例文を置いておきました 笑

しかし、ここでひとつ問題発生です。
セバスチャンが勧めているのは、ただの飲み物ではなく、〝温かい飲み物〟
どこかに〝温かい〟を表す形容詞の warm を入れる必要があるのですが、一体どこに入れればよいのでしょう!?

〝形容詞は名詞の前につくものだ!〟というイメージで、思わず
warm something to drink
と言いたくなってしまいますが、残念ながらこれでは不正解…!

something のように -thing で終わる単語(もっと細かく言うと〝複合系の不定代名詞〟と呼ばれる単語)の場合、形容詞は単語の前ではなく後ろに置かれる、というルールがあるのです。

なので、正しい語順は
something warm to drink
となります!

さあ、これでセバスチャンの台詞の空欄部分が埋まって元通りになりましたね!

Come with me, I’ll take you home…
…and get you something warm to drink.

warm の部分を cold や sweet に入れ替えたり、drink の部分を eat に入れ替えたりすると、〝冷たい飲み物〟〝甘い飲み物〟〝甘い食べ物〟など、いろんな表現に応用がききますので、ぜひ日常のなかでどんどん使ってみてくださいね♪

さらに!
この表現は、不定詞の形容詞用法を勉強する際、必ずと言っていいほど〝注意点〟として取り上げられ、試験にも単語の並び替え問題として頻繁に登場する、〝定番引っ掛けポイント〟
もしもこのブログを読んでくださっているかたの中に〝定期テストの試験範囲の中に不定詞が入ってるよ~!〟という学生さんがいらっしゃったら、覚えておいて損はないですよ~!笑

・不定詞の形容詞用法で、 something to do と一緒にさらに別の形容詞を使う場合は、
 something + 形容詞 + to do
 という語順になるので注意

あと、これは完全な余談というか疑問なのですが…
海底でも温かい飲み物って用意できるんですね!?

映画の中では、結局この後アリエルは宮殿に帰らず、エリック王子の誕生日パーティーが催されている船を見るために海面に上がってしまうのですが、どんな飲み物が用意されているのか、ちょっと見てみたかったかも…笑

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