〝怖い〟だけじゃない! ピーター・パンに学ぶ日常での afraid 使用法 【ピーター・パン】

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪

今回は『ピーター・パン』より、 afraid という単語を使ったピーター・パンの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】フック船長、死す!?

今回取り上げる台詞はこちら。

I’m afraid we’ve lost the dear captain.

ピーター・パン 00:43:04~

インディアン集落のプリンセスであるタイガー・リリーを救い出すべく、ピーター・パンとフック船長がドクロ岩で白熱のバトルを繰り広げる場面から、ピーター・パンの台詞をチョイスしてみました。

今回ブログ記事を書くにあたって、もちろんこの場面も見直したわけですが…
もう、とんでもない名シーンですね!!!(いきなり作品の魅力を熱く語り出すオタク 笑)
ピーター・パンが縦横無尽に岩場を飛び回る場面のスピード感とテンポの良さは、まさにアニメーションならでは!
それまでの姿を隠して声真似一本でフック船長とミスター・スミーを操る緊迫感ある場面との緩急のつけ方も絶妙で、本当に面白いです。

そんな見どころ盛りだくさんのこの一連の場面の中に、ミスター・スミーがピーター・パンを狙って銃を撃とうとしたところ、誤ってフック船長に向けて撃ってしまう(!)という展開があります。

突如船長の姿が消えたことに慌てるスミーや、恐ろしい展開に顔を背けるウェンディをよそに、ピーター・パンはかなりノリノリ。
スミーをからかうようにこの台詞を口にします。

今回の記事では、この台詞に登場する I’m afraid というフレーズに注目!
afraid の意味を辞書で引くだけではたどりつけない微妙なニュアンスを一緒に学んでいきましょう♪

【今回の注目ポイント!】I’m afraid … の使い方

I’m afraid we’ve lost the dear captain.

afraid は「恐れる」、だけど…?

まずはこの afraid という単語について。
afraid は形容詞で、辞書では 「恐れる」という意味が真っ先に登場します。
ディズニーファン的には、『三匹の子ぶた』の主題歌「狼なんかこわくない」の原題 Who’s Afraid of the Big Bad Wolf? がいちばん有名な使用例ではないでしょうか?(直訳すると〝誰が狼なんかこわがるの?〟という感じでしょうか)

しかし!
結論から言うと、ここでのピーターは〝○○が怖い〟という話はしていません
ひとつの単語に様々な訳し方がある英単語をこれまでのブログでもたくさん紹介してきましたが、その例に漏れず、 afraid にも「恐れる」以外の訳し方があるのです!

こんな場面でも使える、 I’m afraid …

I’m afraid … という表現は、辞書によっては afraid を使った熟語や慣用表現の欄に載っている場合もあれば、 afraid の用例の解説の中に載っている場合もありますが、どちらにしても、大きく2つの訳し方が紹介されています。

1つ目は「申し訳ないが…」
たとえば、〝せっかくパーティーに招待してもらったのに、他の予定があって行けない!〟というシチュエーションで…

I’m afraid I can’t attend the party. (申し訳ないですが、そのパーティーには出席できません。)

というように、ただお断りするだけでなく〝本当は行きたいのに… ごめんね!〟というニュアンスを表現することができます。

2つ目の訳し方は「残念ながら…」
これはどちらかというと、相手についてのことで言いにくいことを伝えるときに使うパターン。
例えば、次のように、病気や余命の宣告の場面などで使われます。

I’m afraid you have cancer. (残念ながら、あなたはガンです。)

日本語でも、別に恐れているわけではなくても〝恐れ入りますが〟というフレーズを使いますが、それと同じような感覚でイメージするとわかりやすい感じでしょうか。
ぶっきらぼうになりがちな内容や、相手にショックを与えてしまいそうな内容を、丁寧にコーティングすることができる便利な表現なので、ぜひ覚えておいてくださいね♪

・afraid 単体は「恐れる」という意味だが、
 I’m afraid … で「申し訳ないが…」「残念ながら…」という意味になる

【読解 tips】 lose でなくすのは物だけじゃない etc.

続いてその他の細かい単語のチェックにいきましょう!

I’m afraid we’ve ①lost the ②dear captain.

①【単語】lose … 〈人〉を失う

lost は lose という動詞の過去分詞
「〈物〉をなくす」という意味でももちろん使いますが、「〈人〉を失う」、すなわち〝亡くす〟という意味でも使うことができる動詞です。
日本語の〝なくす〟と感覚が近くて興味深いですね!

②【単語】dear … 親愛な、いとしい、大切な

手紙の書き出しで Dear Mickey などと書くことも多いと思いますが、dear はもともと形容詞で、「親愛な」「いとしい」といった意味があります。
なのでここでは captain を修飾して〝親愛なる船長〟という意味を表すことができるというわけです♪

【和訳に挑戦!】船長に哀悼をこめて…?

最後の仕上げに、この台詞を日本語に直訳してみましょう!

I’m afraid we’ve lost the dear captain.

I’m afraid … は「申し訳ないが…」「残念ながら…」と訳す、というのは確認した通り。
どちらの訳がより的確かは、その後に続く文を先にチェックしたほうがわかりやすそうです。

we’ve lost the dear captain は、先ほどの【読解 tips】を踏まえて訳すと、
私たちは親愛なる船長を亡くしてしまった
となります。

I’m afraid とこの文を繋げるとなると、
〝残念ながら、私たちは親愛なる船長を亡くしてしまった
と訳すのがしっくりきそうですね。

と、直訳すると哀悼の意を表す感じの台詞になっていますが、映画の場面を実際に見ると、この台詞を発しているピーター・パンの表情に残念そうな様子はこれっぽっちもなく…
これはウェンディが顔をしかめるのも無理ないですね 。

ちなみに公式の日本語吹替はこうなってました

I’m afraid we’ve lost the dear captain.
どうやら船長さんはあの世かな

原語版以上にからかい色が強い日本語訳となっています。

ここでフック船長が本当に死んでしまってはこの後のストーリーが破綻してしまうので、もちろん本当に死んではいないのですが…
もし本当に船長ががっつり撃たれていて主人公がこのテンションだったら、ちょっとシャレにならないですよね…!

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