本物の人魚に出会ったら live の発音と品詞に要注意【ピーター・パン】

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪

今回は『ピーター・パン』より、品詞の見分けがつきにくい live が使われているウェンディの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】憧れの場所〝人魚の入り江〟

今回取り上げる台詞はこちら。

Just imagine, real live mermaids.

ピーター・パン 00:36:48~

ウェンディがネバーランドでいちばん楽しみにしていたことといえば…
そう、人魚の入り江!
「きみもとべるよ!」の場面から、ことあるごとに人魚の話題を出していましたもんね。

今でこそディズニー作品に登場する人魚といえば『リトル・マーメイド』のアリエルを思い浮かべる人が大多数でしょうが、それまではこのネバーランドの人魚たちがディズニーの人魚の代表だったんじゃないかな~と思います。
ちなみに Momiji も子ども時代に『リトル・マーメイド』より先に『ピーター・パン』を鑑賞したので、長らく〝ディズニー作品の人魚キャラ〟といえば彼女たちを思い浮かべていました。

ようやく念願叶い、ピーターに人魚の入り江に連れて来てもらったウェンディは、上記のような感嘆の台詞を口にします。

そんなこの台詞で注目したいのが live という単語
単語自体は英会話でもかなり最初の段階で覚えることになる単語なのですが…
みなさんなら、この live 、どう訳しますか?

今回は、このお馴染みの単語の思わぬ落とし穴について解説したいと思います♪

【今回の注目ポイント!】live の品詞に注意!

Just imagine, real live mermaids.

動詞としては訳せない live の謎

live という単語自体は、英会話に少しでも触れたことのある人なら、大体一度は目にしている単語ではないでしょうか?

Where do you live? (あなたはどこに住んでいますか?)
I live in Tokyo. (私は東京に住んでいます。)

…という定番の会話のやりとりの中にも使われている通り、 live は「住む」という意味の自動詞として暗記している人が多いかと思います。

その他にも、『ライオン・キング』のミュージカル版や続編OVAに使われている楽曲の中に He lives in you (ミュージカル版での邦題は「お前のなかに生きている」)というタイトルの曲があるように、「生きる」という意味もありますね!

しかし、このウェンディの台詞に使われている live は、どう考えても「住む」や「生きる」とは訳せなさそうです…

先ほどちらっと書いた通り、「住む」にしても「生きる」にしても、 live は自動詞
そして自動詞は目的語を後ろに置くことができません。
ウェンディの台詞には live の後ろに mermaids という名詞 mermaid 「人魚」の複数形が置かれていますが、
〝live が自動詞だとしたら、目的語を後ろに置けないはずなのに、後ろに置いてある mermaids は一体何者?〟
となってしまいます…!

仮に(絶対にありえないのですが)目的語のように訳したとしても、
〝人魚を(に)住む〟〝人魚を(に)生きる〟
というふうに、なんだかよくわからない日本語にしかなりません。

どうやら今回の live は、私たちのよく知る「住む」「生きる」という意味ではなさそうな気配がしてきました…!

辞書で調べよう! もうひとつの live

よく知っている単語のはずなのに、よく知っている意味で訳そうとすると辻褄が合わない…
そんなときは、とりあえず辞書を引きましょう
英語を聞いたり読んだりしていて何か迷ったときは、とにかく辞書を引く!
これ、英語学習の鉄則です…!

ということで、 live という単語を辞書で引いてみると、どんな英和辞典でも、動詞の live の他に、異なる品詞でもうひとつ見出し語が載っているはずです。

それが、形容詞の live
意味は「生きている」「生放送の」「生の」など。

発音をあえて日本語で表記するなら、動詞の live が〝リヴ〟なのに対し、形容詞の live は〝ライヴ〟という発音になります。
身近な使用例で言うと、SNS などでよく行われるライブ配信の〝ライブ〟は、まさにこの形容詞の live にあたります。

live を「生きている」と訳せば、 live mermaids は〝生きている人魚〟という訳になり、ばっちり意味が通りますね!
これにて〝 live をどう訳すか?〟問題は解決です!

・live は自動詞の「住む」「生きる」という意味の他に、
 同じ綴りで形容詞の「生きている」という意味もあるので注意

・動詞の live と形容詞の live は発音も異なる

【読解 tips】イマジネーションを掻き立てて…

続いてその他の細かい単語のチェックにいきましょう!
といっても、今回は短いセリフですので、チェックポイントは1ヶ所だけです~。

①Just imagine, real live mermaids.

①【イディオム】Just imagine! … ちょっと考えてもみたまえ

imagine という動詞は、聞いたことがあるよ!というかたも多いと思います。
意味は「〈物・事〉を想像する」。
〝冒険とイマジネーションの海〟の〝イマジネーション〟= imagination は、この imagine が派生して名詞になったものです。

そんな imagine が使われた Just imagine! というフレーズ。
直訳すると〝ちょっと想像してみて!〟となりますが、実際に何かを真剣に想像してほしくて言っているひと言というよりも…
だってさ、考えてもみてよ! これってすごくない?
みたいなノリで発するフレーズとして使われています。

私の使っている辞書に載っていた訳語は、「ちょっと考えてみたまえ」という、まるでウェンディたちのお父さんみたいな口調になっていましたが、実際にそのフレーズを言っている人物の性格や普段の口調に合わせて訳してくださいね!笑

【和訳に挑戦!】本物の人魚にご対面♡

最後の仕上げに、この台詞を日本語に訳してみましょう!

Just imagine, real live mermaids.

Just imagine は「ちょっと考えてもみたまえ」という意味とのことでしたが、あまりにウェンディの普段の口調とかけ離れているので、これは再考が必要ですね…!
私だったら、ちょっと意訳を混ぜて〝信じられないわ〟と訳すかな?

そして後半部分の real live mermaids 。
real は「(想像でなく)現実の」という意味なので、 live や mermaids の意味と繋ぎ合わせると、〝本物の生きている人魚〟となります。

さらに前後半の意味を繋ぎ合わせれば…
信じられないわ、本物の生きている人魚よ
という、ウェンディの興奮が伝わってくる台詞が出来上がり~♡

それまで物語の中でしか知らなかった人魚が、生きて目の前にいる…!
おそらくディズニーのテーマパークで推しキャラに出会った私たちのような気持ちなんじゃないかなと思います 笑

そんなこの台詞、公式の日本語吹替の訳はどうなっていたかというと…

Just imagine, real live mermaids.
最高だわ、生きてる人魚を見られるなんて

話し言葉らしい訳になっていますが、やっぱり live 「生きている」については、しっかりと訳出されていますね!

そして〝生きている〟人魚だからこそ、ウェンディに嫉妬もすれば意地悪もしてくるわけで…
その後ウェンディが人魚たちからどんな〝歓迎〟を受けたのかは、ぜひ映画を見てみてください。
せっかく夢見ていたネバーランドにやってきたのに… ウェンディ、なんだか意地悪ばかりされてて可哀想すぎる…!

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