【リトル・マーメイドで英語学習】関係代名詞 who で伝える アースラ様ってどんな人?

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英文法的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った台詞を、文法の解説とともにご紹介♪

今回は『リトル・マーメイド』より、関係代名詞の who について学べるフロットサム&ジェットサムの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】フロットサム&ジェットサムの怪しい誘い

今回取り上げる台詞はこちら。

We represent someone who can help you.

Someone who can make all your dreams come true.

リトル・マーメイド 00:37:17~

アリエルがエリックに恋していることを知ったトリトン王が、彼女の人間グッズコレクションを根こそぎ破壊してしまった、その直後の場面からの台詞です。

大切な宝物をすべて失い絶望するアリエル。
そんな彼女に、これまでは陰から監視するだけだったウツボのフロットサム&ジェットサムが、ここで初めて声をかけてきます。

見るからに怪しげな2匹に、好奇心旺盛&怖いもの知らずなアリエルも、さすがに警戒心MAX。
しかし、フロットサムとジェットサムは〝アースラなら君の夢を叶えられる〟と言葉巧みにアリエルの気をひこうとするのでした。

この台詞はそんな場面でのフロットサムとジェットサムの台詞。
ちなみに1文目がフロットサムの台詞、2文目がジェットサムの台詞です。
この映画での2匹は、性格に大きな差異はなし&原語版・吹替版ともに声優は1人2役なので、目の色くらいしか見分けるポイントがないので、どちらがどちらの台詞か?というのも、画面をよく見ないとわからなかったりするのですが…
(ちなみに右目が金色なのがフロットサム、左目が金色なのがジェットサムだそうです)

この台詞には、英語学習の難所のひとつ、関係代名詞が使われています。
関係代名詞に注目しながら、フロットサム&ジェットサムがアリエルに対してアースラをどんな人だと説明しているのか、一緒に読み解いてみましょう!

【単語チェック】〝我々はアースラ様の代理です〟

文法の説明に入る前に、まずは辞書を引くと意味がつかめる単語についてチェックしていきましょう!
といっても、今回取り上げる台詞は、概ね中学校3年間の間に習う単語で構成されています。

We ①represent someone who can help you.

Someone who can make all your dreams come true.

唯一あまり見慣れない単語があるとすれば、1文目の represent でしょうか。
〝この単語は知らないな~〟と思ったかたは、ぜひお手持ちの辞書などで調べてみてください♪

見つかりましたか?
represent は「〈人・団体など〉を代表する」「…の代理をする」という意味の他動詞です。

この台詞で考えると、we 、つまりフロットサム&ジェットサムは、someone 「ある人」の代理でアリエルのもとに来ているわけですね!
(もちろん〝ある人〟の正体は、この2匹のご主人であるアースラ様)
その「ある人」が一体どんな人なのか?というところを、黄色でマーカーした who という関係代名詞を使って説明している、というのがこの台詞の主な構造となります。

【読解のポイント】関係代名詞 ~主格のwho編~

関係代名詞で人の特徴を説明しよう

人の特徴を説明したいとなったときに、真っ先に思い浮かぶのは形容詞を前につける方法だと思います。
a gentle boy (優しい少年)、 a clever woman (賢い女性)、 a cheerful girl (陽気な少女)などなど。

しかし、日常会話をしていたら、〝優しい〟や〝賢い〟といったシンプルな特徴だけではなく、〝茶色い目の少年〟、〝中国語を話せる女性〟、〝ティムが昨日会った少女〟など、形容詞1語では表現しきれないような特徴を説明したいときもありますよね。

そんなときに役に立つのが関係代名

特徴を説明している部分をひとつの文ととらえて、それを関係代名詞を用いて、修飾したい名詞(この名詞のことを文法用語で先行詞といいます)にドッキングするのです。
…と、言葉で説明してもイメージしにくいと思うので、先ほどの例で実際にやってみましょう。

the boy (少年) + His eyes are brown. (彼の目は茶色い。)

関係代名詞 whose を使ってドッキング!

the boy whose eyes are brown (茶色い目の少年)

the girl (少女) + Tim met her yesterday. (ティムは昨日彼女に会った。)

関係代名詞 whom を使ってドッキング!

the girl whom Tim met yesterday

the woman (女性) + She can speak Chinese. (彼女は中国語が話せる。)

関係代名詞 who を使ってドッキング!

the woman who can speak Chinese

…こんな感じです!
一見ややこしそうですが、一旦覚えてしまえば英語で何かを伝えたいときに表現の幅がぐぐっと広がるので、少しずつ慣れていきましょう♪

who ・ whose ・ whom の違いは?

先ほど挙げた3つの例を見て、
〝who、 whose 、 whom …? 関係代名詞が3種類も出てきましたけど!?〟
と思われたかもいるかもしれません。

関係代名詞でドッキングした文によって修飾される名詞のことを先行詞と呼ぶのですが、実はその先行詞がどんな名詞か? 関係代名詞でドッキングした文の中でその先行詞がどういう役割をしているか?によって、どの関係代名詞を使うかが変わるのです!

今回ご紹介した who ・ whose ・ whom は、いずれも先行詞が〝人〟であるときに使える関係代名詞です。
(実は whose は先行詞が〝人〟以外でも使えるのですが… 説明し出すとキリがないので、今回は先行詞が〝人〟である場合の例にフォーカスしますね><)

使い分けの基準は次の表の通り!

先行詞の役目が…↓

主格のとき所有格のとき目的格のとき
who
that
whosewhom
who
that

先行詞が○○のときは that だとか、 whom がキホンだけど who でも構わないとか、なんなら関係代名詞自体が省略されることもあるとか…
いろいろと例外や省略もあるのですが、それはあとからゆっくり覚えれば大丈夫!
まずは下線が引いてある基本の3つの〝人〟に使う関係代名詞をしっかり覚えることが大事です。

ちなみに、主格、目的格、所有格というのは、英語の授業の最初に I や you などの形の変化を暗記したときのアレです。
たとえば、先ほどの例の中に、 the woman (女性)という先行詞と She can speak Chinese. (彼女は中国語が話せる。)というそれを説明する文をドッキングしよう!というものがありましたね。
ドッキングしたい文の中の she が先行詞の the woman を指しているわけですが、みなさんも暗記したように she は…

日本語訳
she主格彼女は、彼女が
her所有格彼女の
her目的格彼女を、彼女に

この表からもわかるように、主格です!

なので使う代名詞も主格の who となり、the woman who can speak Chinese (中国語を話せる女性)という表現が成立するのです!

・〝英語が話せる少年〟のように、〝人〟を表す名詞(先行詞と呼ぶ)を文で修飾したいときは、
 who 、 whose 、 whom などの関係代名詞を使って名詞と文をドッキングする

・ドッキングした文の中での先行詞の役割が主格なのか?所有格なのか?目的格なのか?
 によって、使う関係代名詞が変わる

【日本語訳に挑戦!】アースラ様ってこんな人!

関係代名詞の基本を押さえたところで、先ほどのフロットサム&ジェットサムの台詞を見てみましょう!

台詞その① フロットサムの場合

まずは1つ目のフロットサムの台詞から。

We represent someone who can help you.

We represent someone までで〝私たちはある人の代理なんです〟という意味になることは、【単語チェック】の項で見たとおりですね。
そして、その〝ある人〟がどんな人かを説明するために関係代名詞の who が登場
先ほどの例のように、先行詞とそれを修飾している文に分解すると次のようになります。

someone (ある人) + She can help you. (彼女はあなたを助けられる。)

she は主格なので、関係代名詞 who を使ってドッキング!

someone who can help you (あなたを助けられる人)

ということで、先ほどの前半部分の訳とくっつけて直訳すると、
〝私たちはあなたを助けられる人の代理なんです〟
という意味になるわけです!

ちなみに、この訳だとあまりナチュラルな日本語とは言えないので、日本語吹替版ではこんな訳になっています。

We represent someone who can help you.
あるお方の代理で助けに来た。

文字数もすっきり少なくて自然ですね!

台詞その② ジェットサムの場合

続いてジェットサムの台詞のほうは、もう主語も動詞もすっ飛ばして、名詞 someone とそれを修飾する文、そしてそれをドッキングする関係代名詞のみで構成されています。

Someone who can make all your dreams come true.

関係代名詞の後に続く文がちょっと長いですが、構造はフロットサムの台詞と同じです。
それでは先ほどと同じように先行詞とそれを修飾する文に分解してみましょう。

someone (ある人) + She can make all your dreams come true. (彼女はあなたのすべての夢を叶えられる。)

she は主格なので、関係代名詞 who を使ってドッキング!

someone who can make all your dreams come true (あなたのすべての夢を叶えられる人)

使われている単語にそれほど難しいものはないですが、強いて言うなら make の訳し方に注意というところでしょうか?
この make はいわゆる使役動詞
make O(目的語) do(動詞の原形) 「〈人・物・事が〉〈人・物など〉に…させる」と訳します。
O にあたるのが all your dreams 、動詞にあたるのが come なので、直訳すると〝あなたのすべての夢を叶える〟という感じですね。

dreams come true については、おそらくディズニーファンのかたなら日常的に目にしているフレーズなので、感覚的に意味がわかってしまうのではないでしょうか?笑
ちなみに文法的な話をすると、 come は自動詞、 true は形容詞で補語の役割をしています。
come はあまり補語をとる動詞というイメージがなかったので、改めて分析してみて私もなるほど~と思いました。

話が少し脱線しましたが、このジェットサムの台詞は日本語吹替ではこんな訳になっていました。

Someone who can make all your dreams come true.
そのお方はあんたの夢を本物にしてくれるんだよ

個人的に、アリエルのことを「あんた」と呼ぶところが、上から目線でヴィランらしくて結構好きだったりします♪


今回はアースラという非常にアクの強い、そして〝人間の世界に行く〟というアリエルの夢を叶える特殊なパワーを持った人を紹介する台詞に関係代名詞が使われていましたが、関係代名詞の使い方自体はもっと身近な普通の人間を紹介する場合でもまったく同じ!笑

使い分けのルールや例外も多々あって、ややこしい文法事項ではありますが、基本を押さえて一歩ずつ慣れていきましょう♪

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