【ピーター・パンで英語学習】仮定法過去で憎きピーターに復讐を!

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪

今回は『ピーター・パン』より、仮定法過去を使ったフック船長の台詞を取り上げます。

【今回の台詞】今日も続く、ピーターとフック船長のバトル

今回取り上げる台詞はこちら。

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.

ピーター・パン 00:21:44~

いよいよ物語の舞台はネバーランドへ!
島に停泊中の海賊船では、海賊たちが不満を募らせていました。
その不満の原因は… ボスであるフック船長!
自分の左手を切り落としてワニに食べさせたピーター・パンに復讐することで頭がいっぱいのフック船長は、一向にネバーランドを離れようとしないのです。

そんなわけで今日もフック船長は、ピーターの居所を突き止めようと、ネバーランドの地図とにらめっこ。
その場面での船長の台詞がこちらです!

この台詞には、高校までの英語の授業で必ず一度は習う、そして多くの人が〝訳がわからない…〟〝こんな構文いつ使うんだ…〟と途方に暮れる、仮定法過去が使われています。
仮定法過去の使い方のお手本として最適な台詞ですので、今回はこちらの台詞を深掘りしていきたいと思います♪

【今回の注目ポイント!】仮定法過去の基本を押さえよう

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.

それでは早速仮定法過去の文の作り方を見ていきましょう!

【前提条件】現実とは異なる〝もしも〟を表すのが仮定法過去!

そもそも仮定法過去ってどういうときに使うのか?
まずはここを確認しておきたいと思います。

仮定法過去を使うのは、現在の事実とは異なる〝もしも〟の話をするとき。
これが大前提となります。

日本語でいうと、たとえば…

もし私が鳥だったら、空を飛べるのに。(=今の私は鳥ではなく人間)

もし私が1億円を持っていたら、豪華客船で世界一周旅行するのに。(=今の私は1億円を持っていない)

…こういうときに仮定法過去を使います。

ひとつ注意したいのは、文の中に動詞の過去形を使うため〝仮定法過去〟という呼び名になっていますが、仮定法過去は現在の事柄を表す表現だということ!
自分が鳥でないのも、1億円を持っていないのも、過去ではなく〝今〟の話ですが、これを英語で言うときには、仮定法〝過去〟を使うことになります。

ちなみに〝もし私が若いときに1億円持っていたら…〟など、過去の〝もしも〟の話をするときには、仮定法過去完了という表現を使います。

この前提条件を踏まえた上で、フック船長の台詞に使われている仮定法過去を詳しく見ていきましょう。

【作り方その①】〝もしも~なら〟は If + S +過去形

仮定法過去の文の作り方、その①!
まずは〝もしも~なら〟にあたる部分を If + S + 過去形 で表します

フック船長の台詞でいうと、この黄色マーカーの部分がそれにあたりますね↓

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.

S(主語)にあたるのは I 。
そして、この文の動詞 find には助動詞がくっついているので、今回の場合は助動詞 can が過去形の could となっています

【作り方その②】〝~なのに〟は S + 過去形の助動詞 + 動詞の原形

〝もし~なら〟を if 節で表したなら、次に来るのはその結果にあたる〝~なのに〟の部分
この部分の文は would 、 should 、 could 、 might のいずれかの助動詞(つまり過去形の助動詞ですね!)を使うのがポイントです。

フック船長の台詞では、ここがその部分です↓

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.

I’d は I should 、 I would 、 I had が省略されたもの。
先ほどの仮定法過去で使う助動詞のリストに照らし合わせると、今回の I’d は I should か I would のどちらかの意味になりますね!
どちらが正しい解釈なのかは、この後の日本語訳の項で見当したいと思います。

そして I’d の後ろに来ている trap。
日本語でも〝トラップ〟というカタカナ語が浸透しているように、名詞だと「わな」という意味の単語ですが、助動詞とセットで使われていることや、後ろに名詞である him が置かれていることから、今回は動詞として使われていると考えられます

・仮定法過去は現在の事実とは異なる〝もしも〟の話をするときに使うもの

・〝もしも~なら〟の部分を If + S + 動詞の過去形で表す

・〝~なのに〟の部分は S + 過去形の助動詞 + 動詞の原形で表す

【読解 tips】見つけたいのはピーターの○○○!etc.

続いてその他の細かい単語のチェックにいきましょう!
フック船長のピーター・パンへの復讐計画とは一体…?

If I could only find his ①hideout, I’d ②trap him in his ③lair.

①【単語】hideout … 隠れ場所

hideout の意味は「隠れ場所」
hide 「隠れる」という単語が含まれているところから、なんとなくイメージがしやすいのではないかと思います♪

②【単語】trap … 〈人〉を捕える

前項の【注目ポイント】の中で、今回の trap は名詞ではなく動詞として使われている、という話をしました。
辞書を引くと名詞としての意味がずらずらっと並んだその後に、動詞としての訳語が載っています。
色々マニアックな訳語も載っていますが、今回はフック船長とピーター・パンの因縁深~い関係から察するに、「〈人〉を捕える」という意味がしっくりきそうですね。

③【単語】lair … 隠れ家、休み場所

これはかなりマニアックな単語じゃないかと思います…!

辞書を引くと「隠れ家」「休み場所」といった訳語が出てくるので、 hideout とほぼ同じような意味と考えられます。

ただ、それらの訳語よりも先に「(野獣の)ねぐら」「巣」といった意味が書いてあったり、また別の辞書(『リーダーズ英和辞典 第3版』研究社、2012、2016、『リーダーズ・プラス』研究社、1994、2016)では「《盗賊などの》潜伏先」という意味が載っていたりと、辞書の情報から hideout よりもネガティブなイメージの単語であることがうかがえます。
フック船長のピーター・パンへの並々ならぬ復讐心が伝わってきますね…!

【和訳に挑戦!】フック船長の復讐計画

最後の仕上げに、この台詞を日本語に直訳してみましょう!

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.

仮定法過去の訳し方は〝もしも~なら、~なのに〟でしたね。

まずは〝もしも~なら〟の部分にあたる If ~ hideout, までの部分を見ていくと、
もしも俺が彼の隠れ場所を見つけることさえできれば
という訳になります。
only という単語が入っていることによって、探しても探してもピーターの隠れ家を見つけられないフック船長の苛立ちが伝わってくるな~と感じました。

続いて後半部分の I’d ~ lair. も、ひととおり単語はチェックしたので、それほど難しくはないはず。
唯一気がかりなのが I’d は果たして I should の省略形なのか、それとも I would の省略形なのかというところですが…
話の流れからすると、
彼の隠れ家で彼を捕えるのに
という訳が自然なので、この I’d は I would の省略形と考えてよさそうです。
(〝彼を捕えるべきなのに〟という訳は不自然ですもんね!)

ということで、この2つのパーツを繋げてもう少しフック船長らしいナチュラルな日本語にすると…
〝彼(=ピーター・パン)の隠れ家を見つけることさえできれば、彼を捕えてやるのに〟
という感じでしょうか。

最後に答え合わせとして、公式の日本語吹替の訳をチェック!

If I could only find his hideout, I’d trap him in his lair.
やつの隠れ家さえ見つかれば、一気に仕留めてやるのに

〝仕留める〟というワードが海賊らしくて、なるほど~!と感動してしまいました♡
ちなみに日本語字幕でも〝仕留める〟という言葉が使われていました!

絶対に復讐したい相手がいる場合も、そういうわけじゃないけれど〝もしも〟の話をしたい場合も、今回のフック船長の台詞を参考に、どんどん仮定法過去を使って慣れていきましょう♪

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