Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語学習的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪
今回は『ピーター・パン』より、「きみもとべるよ!」の意外?な原語の歌詞について取り上げます。
【今回のシーン】「きみもとべるよ!」でネバーランドへ出発!
皆さんは『ピーター・パン』で使用されている歌曲の中で、どれがいちばんお気に入りですか?
オープニングを飾る「右から2番目の星」、元気な行進曲の「リーダーにつづけ」…
いろんな曲がありますが、やっぱり印象に残っているのは、ウェンディたちがピーター・パンと共にネバーランドへ出発するシーンで使用される「きみもとべるよ!」(原題は You Can Fly! You Can Fly! You Can Fly!) というかたも多いのではないでしょうか?
空を飛んでいる子どもたちのワクワクする気持ちをそのまま音楽にしたような、ストーリー展開と一体となった高揚感あふれる名曲です。
2023年現在、東京ディズニーリゾートでも「ジャンボリミッキー!レッツ・ダンス!」や「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」といったエンターテインメントで使用されていますね。
そんなディズニーファンにとってはお馴染みの「きみもとべるよ!」ですが、実はこの曲、英語の原語詞と日本語吹替の訳詞では、少し雰囲気が異なるのをご存知でしたか?
今回は日本語で聴いていると気づけない、英語の歌詞にのみ登場する内容に注目してみたいと思います!
【日本吹替では…】楽しいことってどんなこと?
ピーター・パン曰く、空を飛ぶには、妖精の粉と〝楽しいこと〟を考えることが必要とのこと。
その〝楽しいこと〟の例が「きみもとべるよ!」の歌詞の中でもいくつか挙げられています。
日本語の歌詞だと、どんな〝楽しいこと〟が挙げられていたかというと…
歌詞の冒頭で挙げられていたのは〝クリスマスのおもちゃ〟と〝おいしいお菓子〟でした♪
たしかにどちらも想像するとワクワクしますね~♡
【英語では…】クリスマス要素、増量中!?
それでは英語版の歌詞では、どんなことが〝楽しいこと〟として挙げられているのしょうか?
楽しいこと①… Christmas
最初に挙げられるのが Christmas 「クリスマス」。
〝クリスマスのおもちゃ〟ではなく、あくまでクリスマス全体となっているところが日本語詞と異なるポイントとなっています。
とはいえ、日本語詞の〝クリスマスのおもちゃ〟が完全に原語を無視した内容かというと、そういうわけでもなく…
「きみもとべるよ!」の曲が始まる前の、子どもたちが空を飛べるようになるまでのピーターとのやりとりのシーン(冒頭で紹介したYouTubeの公式クリップを始め、このシーンも含めて「きみもとべるよ!」の曲の一部としている音源も多いです)で、ウェンディが〝楽しいこと〟の例として次のような例をピーターに挙げています。
Like toys at Christmas?
ピーター・パン 00:16:41~
こちらにはちゃんと〝クリスマス〟だけでなく〝おもちゃ〟にあたる toys という単語も含まれています!
文字数の制約ももちろんながら、日本語詞はこの台詞を意識して〝クリスマスのおもちゃ〟という訳にたどりついたのかもしれませんね♪
楽しいこと②… snow
2つ目の楽しいことは、snow 「雪」。
これは日本語の歌詞にはまったく出てこないワード!
ですが、先ほど紹介したウェンディの台詞に続くかたちで、ジョンが〝楽しいこと〟の例として挙げているもので、そのシーンでは日本語吹替でもしっかり〝雪〟の話題が登場しています。
お住まいの地域によっては、雪に楽しい印象がまったくないかたもいると思いますが(Momiji もどっちかというとそのタイプです…雪かき大変…!)、雪遊び大好きな子どもは多いですもんね♪
楽しいこと③… sleigh bells
「きみもとべるよ!」で楽しいことの例として挙げられるものの3つ目は… sleigh bells 「そりの鈴」!
こちらも snow 同様、曲が始まる前にジョンの口から出てくるワードではあるのですが、 ポイントは sleigh から連想される〝そり〟のイメージ。
日本語で〝そり〟と聞くと、子どもが雪遊びのときに使うプラスチック製の紐で引っ張るタイプのそりが真っ先に浮かぶ人が多いのではないでしょうか?
しかし、そういうタイプのそりは英語で表すと sled や sledge という単語が当てはまります。
では sleigh はどんなそりを指すのかというと、馬やトナカイが引っ張るタイプのそりのことを表すのです!
そしてsleigh bells はそんな sleigh タイプのそりにつけられた鈴のこと。
日本語吹替でのジョンの台詞では〝鈴〟の部分が訳されず、単に「そり」と訳されているので、私もてっきり公園などの斜面で遊ぶタイプの〝そり遊び〟をイメージしていたのですが…
どうやらそういうわけではなかったんですね!
大発見!
そして…日本語吹替の歌詞に登場する〝お菓子〟の要素は、実は原語の歌詞にも、その前のピーターと子どもたちのやりとりにも、一切登場しないという衝撃の事実が発覚しました…!
お菓子要素、一体どこからやってきたのでしょう…?
まあ、想像したら楽しくなるものなのは間違いないですけど…!
おまけ… reindeer in the sky
ここまででもクリスマスにまつわるキーワードばかり登場していることをおわかりいただけたかと思いますが、ダメ押しでもうひとつ。
ピーター・パンと子どもたちが空を飛ぶ様子を形容する一節として reindeer in the sky というフレーズが歌詞の中に登場します。
reindeer とは「トナカイ」という意味。
『アナと雪の女王』にもクリストフの持ち歌で Reindeer(s) Are Better Than People (日本語タイトルは「トナカイのほうがずっといい」)という曲があるので、なんとなくこの単語を耳にしたことがあるディズニーファンのかたも多いのではないでしょうか?
それからクリスマスソングの定番の「赤鼻のトナカイ」も原題は Rudolph the Red-Nosed Reindeer ですね♪
そう、原語の歌詞では空を飛ぶピーターと子どもたちを、サンタクロースのそりを引っ張って空を飛ぶトナカイに例えているのです!
どっちかというと見た目的には翼を広げて飛んでいる鳥のほうがしっくりくるような気がするのですが…
クリスマスにまつわるワードでまとめたい!という強いこだわりがあったのかもしれませんね…!
【結論】「きみもとべるよ!」は実質クリスマスソング!
ということで、「きみもとべるよ!」の原語の歌詞には、日本語吹替版の歌詞以上にクリスマスに関するワードが満載で、実質クリスマスソングである!ということがおわかりいただけたかと思います 笑
『わんわん物語』、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、『トイ・ストーリー』などクリスマスの場面が登場するディズニー作品はいろいろとありますが、今年は『ピーター・パン』を選択肢に入れるのもアリかもしれませんよ!?
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