Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、気になった文法事項や表現を紹介していきます。
今回は「ちいさなプリンセス ソフィア」のシーズン1第17話「エンチャンシアのうた」より、「『自慢』をあらわす表現」のお話です!
今回のお話のキーワード brag
このエピソードもいよいよ佳境ですね!
収穫祭当日を迎えたソフィアは、カエルの声の魔法にかかってしまった原因を突きとめるため、クローバーと一緒にこれまでの自分の行いを振り返ります。
そんな本エピソード後半に頻出する単語に、bragがあります。
先に意味を言ってしまうと、ずばり「自慢する」。
そう、自慢話のしすぎで友達のルビーとジェイドの気分を害してしまったことが、ソフィアが魔法にかかった原因だったのです。
bragが初めて登場するのはこの台詞。
平常運転で友達に自慢話をしまくるアンバーの様子を見たクローバーの言葉です。
How can all her friends stand to hear her brag about herself so much?
ちいさなプリンセス ソフィア シーズン1第17話 エンチャンシアのうた 00:14:00~
(アンバーの友達、よくあんな自慢話を黙って聞いてられるな。)
※台詞内のマーカーは筆者が独自に追加
クローバーのこの台詞がきかっけで、ソフィアは自分もアンバーと同じように自慢話ばかりしてたことに気付きます。
まさに今回の物語の鍵を握るキーワードですね!
bragは、『ジーニアス英和辞典 第5版 用例プラス対応』(大修館書店)の判定では「大学生・社会人に必要な語」にカテゴライズさている、つまり比較的よく使われるとされている単語。
しかし日本語の中でカタカナ語とし定着しているわけでもないので、普段なかなか触れる機会のない単語だな~というのが私の印象です。
英語学習者的には、こういう単語こそ、好きな作品を通じて出会った機会にしっかり押さえておきたいところです!
比べてみよう! be proud編
このbrag、だいたいどの辞書にも、「自慢する」を表す他の英語表現と比べよう!という主旨の内容が載っていますので、私たちもそれに倣って他の「自慢する」の英語表現をひとつずつみていきましょう!
まずはこちら。
be proud
これは割とメジャーな表現ではないでしょうか?
be proud of ~で「~を誇りに思う」。
学校のテストのために多くの人が一度は暗記したことがあるタイプのフレーズだと思います。
先述の『ジーニアス英和辞典』のboastの項に掲載されている解説によれば、be proudは「口には出さず心の中で「誇りに思っている」ことをいう」とあります。
実はまさにこのエピソードのラストで、ソフィアの父親である国王がこのフレーズを使った台詞を娘に向けて言っていますので、それを実例として見てみましょう!
We’re so proud of you, Sofia.
ちいさなプリンセス ソフィア シーズン1第17話 エンチャンシアのうた 00:21:05~
(立派だったぞ、ソフィア。)
※台詞内のマーカーは筆者が独自に追加
たしかに「ソフィアは自慢の娘だよ!」という主旨のことを言ってはいますが、あくまで国王とソフィアの間のやりとりであって、それを第三者に言いふらして自慢しているのではないところがポイントです。
比べてみよう! boast編
よりbragに近い意味合いで「自慢する」としてよく使われる単語がこちらです。
boast
この単語は残念ながらこのエピソードでは使用されていない動詞なので、辞書の例文を見てみましょう。
He boasted to his classmates about having won the prize.
『ジーニアス英和辞典 第5版 用例プラス対応』大修館書店
彼は級友に賞を取ったことを自慢した.
こちらはがっつり第三者に対して自慢してる感がありますね…!
同じく誰かに何かを自慢する際に使うbragとの使いわけは、なかなかニュアンスがつかみにくいところがあるのですが、いろんな辞書の注意書きや解説を読んでいくと…
・boastよりも嫌味を強調する語(『ウィズダム英和辞典 第3版』三省堂、bragの項より)
・bragは他人に不快感を与えるような「自慢」をいう(『ジーニアス英和辞典 第5版 用例プラス対応』大修館書店、boastの項の類語比較より)
…ふ~む、とりあえず嫌味度・不快度は、boastよりbragのほうが圧倒的に高いということがわかりますね。
ひとつの単語から見えてくる、キャラクターの心の内!?
ということで、「自慢」関連の別の表現と比べみたことで、かなり不快指数の高い表現だということが判明したbrag。
その知識をもった上で、冒頭で紹介したクローバーの台詞を改めて読むと、どうでしょうか?
こんな強い表現を使うということは、クローバーは日頃からアンバーの自慢話に相当うんざりしているのかも…
そして、自分で自分の行為をbragと表現してはばからないソフィアは、自慢話で友達を傷つけてしまったことをとても反省しているのかも…
…と、ひとつの単語からそんなふうにキャラクターの心情が読み解ける、かもしれません。
英語の知識が増えるだけでなく、推しキャラへの理解も深まる…
それもお気に入りの作品で英語を学ぶ魅力だと思います♪
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