Momiji が実際に Disney+ の作品を使って勉強する中で、英語的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪
今回は『塔の上のラプンツェル』より、ラプンツェルとフリン・ライダーが訪れる食堂〝かわいいアヒルの子〟にまつわる英語表現を取り上げます。
一度は行きたい人気店〝かわいいアヒルの子〟
憧れのランタンを見に行くため、フリンをガイド役に冒険に出発したラプンツェル。
腹が減っては戦はできぬということで、まずは食事ができる場所に案内してもらうことに。
そう、ふたりがこれから向かうのは〝かわいいアヒルの子〟です!
今回は作中のフリンの台詞から、この〝かわいいアヒルの子〟にまつわる単語やフレーズをピックアップしてみようと思います。
なんといっても、このお店、最近では私たちも実際に訪れることができるようになりましたからね。
ファンタジーの泉でも話題の名店、〝それってどんなお店なの?〟と尋ねられたときにも、これでさくっと説明できること間違いなしです!
…………多分。
店名の元ネタはお馴染みのあの物語
まずは〝かわいいアヒルの子〟という店名について。
吹替でも字幕でも日本語訳は共通して〝かわいいアヒルの子〟ですが、原語では The Snuggly Duckling という店名になっています。
(ちなみに東京ディズニーシーのレストランも、原語の店名に倣って「スナグリーダックリング」となっていますね)
この店名に使われている単語の意味は以下の通り。
snuggly … 動詞 snuggle を形容詞の形にしたもの
↓
snuggle … 【自動詞】心地よく横たわる、心地よく体を丸める、寄り添う
duckling … duck + -ling
↓
duck … 【名詞】アヒル
-ling … 【接尾辞】「幼い…、小さい…」の意を表す名詞を作る
なんだかモコモコふわふわな鳥のひなのイメージが湧いてくる単語の組み合わせですね♡
でも、ただアヒルの子の可愛さを表現するためだけに snuggly という形容詞が使われているわけではなさそうです。
日本語での〝かわいいアヒルの子〟という店名で、既にこの物語が脳裏にチラついたかたも多いはず。
ディズニーで短編アニメ化もされている、アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」!
こちらの英題は The Ugly Duckling といいます。
ugly … 【形容詞】醜い
ugly と snuggly … アグリーとスナグリー…
ね、ね、発音がそっくりですよね、韻を踏んでますよね!?
ということで、この店名は「みにくいアヒルの子」をもじっていることがうかがえます。
童話が店名の元ネタだなんて、なんてキュートな… そして、なんて客層と店名にギャップのあるお店なんでしょうw
〝かわいいアヒルの子〟を説明する 3つのキーワード
ここからはフリンが作中でラプンツェルに〝かわいいアヒルの子〟がどんなお店か説明するために使ったキーワードを3つご紹介します!
【その1】quaint
まずは入店前の場面より。
初めて塔の外に出たラプンツェルにとっては、外食だってもちろん初めて。
そんな彼女を安心させるように、フリンはこう言います。
Don’t worry. Very quaint place.
大丈夫、すごくしゃれた場所で、Perfect for you.
塔の上のラプンツェル 00:36:59~ ※ハイライトは独自に追加
君にピッタリだよ。
比較的簡単な単語で構成されている台詞ですが、その中で唯一 quaint があまり馴染みのない単語じゃないかと思います。
私もこの台詞で初めて聞く単語だったので辞書を引いてみると、そこには2通りの意味が載っていて…
quaint … 【形容詞】①風変わりで面白い ②古風な趣のある
う~ん、ラプンツェルを安心させるには②の意味のほうが〝安定の老舗〟って感じで効果的ですが、お店の実態を考えると①の〝風変わり〟のほうが正しい解釈のような気が…
ちなみにこの単語、吹替では上記の通り「しゃれた」、字幕では「古風な」と訳されています。
どちらかというと②の意味が強めでしょうか…?
もしかするとフリンは、あえて2種類の意味にとれる曖昧な単語を使うことで
〝俺は最初にちゃんと風変わりな店って言ったはずだぞ?^^〟
と責任を回避するつもりだったのかも!?
さすがは泥棒、小賢しいですね…!
【その2】the color brown
続いては入店後の場面。
可愛い店名とは対照的に、店内は荒くれ男だらけ!
そんな中でラプンツェルに深呼吸を要求しながらフリンはこう言います。
I don’t know why, but overall it smells like the color brown.
塔の上のラプンツェル 00:37:30~ ※ハイライトは独自に追加
なぜかわかんないけど鼻が曲がりそうだぜ。
吹替版では〝鼻が曲がりそう〟と表現されている部分、原語では overall it smells like the color brown という表現が使われています。
the color brown は文字通り訳せば〝茶色〟という意味ですが、〝茶色のようなニオイがする〟って、一体どういうことなんでしょう…?
その答えらしきものは字幕の中にありました。
汚物のようにクサい
塔の上のラプンツェル 00:37:30~ ※ハイライトは独自に追加
「汚物」… ああ… なるほど、そういうこと…
東京ディズニーシーの「スナグリーダックリング」ではそんなニオイはしないことを祈りたいです…!
【その3】a five-star joint
最後は、店の独特すぎるムードに恐れおののくラプンツェルに対して、フリンがかける一言の中から。
This is a five-star joint.
塔の上のラプンツェル 00:37:50~ ※ハイライトは独自に追加
ここは最高に上品な店なんだ。
five-star … 【形容詞】5つ星の、最高の
お店のランクを表すのに〝星〟を使うのは、日本語の日常会話の中でもよくありますね。
私の電子辞書に収録されている国語辞典の『デジタル大辞泉』には、ミシュランのガイドブックが星でお店をランク付けする表現の起源であるとの記述があったので、そもそも西洋ルーツの表現であるようです。
そしてもうひとつ気になるのがこちらの単語。
joint … 【名詞】《略式》安レストラン
形容詞「共同の」や名詞「関節」など、いろんな意味を持つ joint という単語ですが、略式表現として「安レストラン」という意味もあるのだそう。
辞書の訳をそのまま使うと〝5つ星の安レストラン〟という矛盾しまくりの意味になりますw
このあたりのフリンの発言のいい加減さは、英語の台詞を詳しく見ればこそわかる面白ポイントですね!
ここまで紹介した中で〝かわいいアヒルの子〟に行くときに実際に使ってみたい表現は見つかりましたでしょうか?
個人的には最後に紹介した a five-star joint の意味の矛盾がなんとも可笑しくて気に入っています♡
ただし、フリンの真似をしてお店の説明をして、〝全然話が違うじゃん!〟と怒られても、本ブログは一切責任は持てませんので、悪しからず…!w
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