悪用厳禁!日常で使えるゴーテルの意地悪(?)フレーズ集【塔の上のラプンツェル】

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英語的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った場面を、解説とともにご紹介♪

今回は『塔の上のラプンツェル』より、ゴーテルの台詞の中から日常会話に役立つフレーズをご紹介します。

優しい?意地悪? 強敵マザー・ゴーテル

前回の記事で紹介した「自由への扉」の場面で、

今年こそ、私の誕生日に現れる光を、外の世界に見に行きたい!

という願いを歌に乗せて吐露したラプンツェル。
その願いを叶えるためにまずするべきことは…〝母親〟との交渉!
ということで、ここでいよいよマザー・ゴーテルが本格登場です。

白雪姫にシンデレラに…と、血の繋がった母親ではなく継母に育てられている主人公はディズニー映画の定番シチュ。
そしてその継母が主人公を邪魔するヴィランである、というのも定番の設定です。

ゴーテルもまさしくその伝統にのっとったキャラですが、そこは21世紀生まれのヴィラン!
定番設定に少しひねりが加えられています。

『白雪姫』の王妃様も『シンデレラ』のトレメイン夫人も、雑用を押しつけるなど娘に対して悪意むき出し。
白雪姫もシンデレラも、そのことを承知したうえで日々を過ごしている、という感じでした。

それに引き替えゴーテルは、ラプンツェルを魔法の花の代替品としてしか見ていないという身勝手な本音をちらつかせながらも、表向きには〝愛情深い母親〟らしく振る舞います
そこが面白いところであり、そして非常にタチが悪いところ!
ラプンツェルをけなしているのかと思いきや、

今のは冗談!
あなたのこと大好きよ~♡

と、次の瞬間には猫撫で声。

帰宅したゴーテルにラプンツェルが〝外に行きたい〟という想いを伝える数分の場面の中だけでも、ゴーテルの態度にラプンツェルが振り回されている様子がよく伝わってきますよね。

今回の記事では、そんな相手を煙に巻くようなゴーテルの発言の中から、私たちが日常生活でも真似して使えそうなフレーズを、3つピックアップして紹介したいと思います!

くれぐれもゴーテルのように誰かを塔に閉じ込めるためにこのフレーズを使うのはお控えくださいね!

①exhausting ~〝疲れる〟は tire だけじゃない

いつものようにラプンツェルに塔の上まで引っぱり上げてもらったゴーテル。
一応〝娘想いの優しい母親〟設定なので、ラプンツェルにこんな労りの言葉をかけます。

It looks absolutely exhausting, darling.

塔の上のラプンツェル 00:10:26~

こちらの文、文法的には look をどう解釈するかがポイント。

Look at this. (これを見て。)

というように、前置詞の at と組み合わせて「〈人・物〉を(じっと)見る」という意味でも使われますが、この他にもうひとつ重要な使い方が。

それは、後ろに補語となる形容詞を置いて「…に見える」という使い方。
It looks + 形容詞 . で、〝それは○○に見える〟という意味になります。

ここでゴーテルが言う it は状況から判断して、髪の毛を使って人を塔の上まで引っぱり上げる行為を指していると考えるのが自然ですね。

では、それが一体どんなふうに見えるかというと…
exhausting という単語が使われています。

exhausting は exhaust 「〈人・動物〉を(くたくたに)疲れさせる」という動詞から派生した形容詞で、辞書に載っている意味は「心身をくたくたに疲れさせる」、「骨の折れる」
もう、この訳語を読んでいるだけでも息切れしてきそうですね…!
大半の人が〝疲れる〟と聞いて真っ先に思い浮かべるであろう tire 由来の単語よりも、さらにお疲れ感増し増しなのが、この exhaust 由来の単語なのです。

ゴーテルの台詞には、さらに absolutely 「本当に」「ものすごく」という副詞まで一緒に使われているので…

本当に本当にものすご~く疲れるでしょう!?

と、過剰なほどにラプンツェルをねぎらっているのが伝わってきます。
う~ん、なんかちょっと、うさん臭いですね…!

ちなみに、このシーン、日本語吹替版では、

ごめんなさいね、とっても疲れるでしょう。

塔の上のラプンツェル 00:10:26~

…となっています。
英語版より〝疲れる〟感が少し薄めという感じでしょうか…?

ちなみに、 exhaust から派生した形容詞には、exhausting の他に、人の状態について使う exhausted 「疲れきった」「へとへとの」もあります。

仕事や勉強や家事育児で疲れがピークのときは、ぜひ…

I’m exhausted! (私はへとへとです!)

とアピールしてみましょう!

②I’m just teasing. ~ 今の発言は本気? それとも…

さて、お母様にねぎらいの言葉をかけてもらったらラプンツェルですが、

大丈夫! たいしたことないわ^^

と答えたところ、

じゃあ、なんでこんなに時間がかかるの?^^

と、皮肉? 嫌味?のような言葉が返ってきてしまいます。
困惑した様子を見せるラプンツェルですが、そこですかさずゴーテルが口にしたのがこの言葉。

Oh, darling, I’m just teasing.

塔の上のラプンツェル 00:10:34~

ここで注目したい単語は teasing
もとの形は tease という単語で、「からかう」「いじめる」という意味の動詞です。

これが進行形の文の中で、なおかつ just 「ただ…だけ」と一緒に使われているので、日本語に直すと…

やだ、からかってるだけよ。

塔の上のラプンツェル 00:10:34~

という意味になるわけです!

冗談のつもりのひと言で相手をむっとさせてしまったときに、さっと使える便利な表現です。

類似の表現として、動詞の joke 「冗談を言う」を使った

I’m just joking. (ただの冗談だよ。)

というものもありますので、こちらもよければセットで覚えてみてくださいね。

ちなみに、塔に帰ってきてから「お母様はあなたの味方」を歌い出すまでの数分の間だけで、ゴーテルはラプンツェルに対してこの I’m just teasing. を3回も言っています!
たしかに便利なフレーズではあるのですが… ここまで使いまくるのは、いかがなものかと…!

③take things seriously ~ 考えすぎは禁物です

最後に紹介するのは、ゴーテルとラプンツェルが一緒に鏡を見る場面に登場するフレーズ。

強くて自信に溢れた美しく若い女性の姿が映ってるわ♡

とゴーテルが形容するのは、実はラプンツェルではなく自分のこと

またしてもラプンツェル困惑、からの、ゴーテルが I’m just teasing. とフォロー、というお約束の流れ。
さらにここでは、ゴーテルはこう付け足します。

Stop taking everything so seriously.

塔の上のラプンツェル 00:10:54~

これがどういう意味なのか、単語ごとに見ていきましょう!

まず、この中でいちばん見慣れない単語でる seriously は、「深刻に」という意味の副詞。
〝あの映画はシリアスな内容だったな~〟と言うときの〝シリアス〟を副詞の形にしたものです。

take は文脈によって様々な意味をもつ動詞ですが、ここでは「O〈事・物・人〉を…として受け止める」「解する」という意味で使われています。
よく〝肩の力を抜いて頑張って!〟という励ましの言葉で Take it easy. と言うことがありますが、その take がまさにこの使い方です 。

今回は easy のところに「深刻に」という単語が入っているので take things seriously で、〝物事を深刻にとらえる〟という意味になります

さらにゴーテルはそれを stop =〝やめて〟と言っているわけなので、日本語吹替だとこんなふうに訳されています。

なんでもそんなに真面目に受け取らないで。

塔の上のラプンツェル 00:10:54~

いやいやいや!
そりゃラプンツェルだって違和感おぼえて当然でしょ!
〝お母様はどういうつもりでこんなことを言うんだろう?〟って真面目に考えちゃうでしょ!
と、思わずツッコミを入れたくなってしまいますね。
ゴーテルの意地悪さを感じずにはいられないフレーズです。

でも、このフレーズ、使い方によっては誰かを励ます優しいフレーズとしても応用可能!
たとえば、色々と思い悩んでいたり、心ない周囲の言葉に傷ついたりしている友達に〝深刻に考えなくていいよ!〟〝真に受けなくてもいいよ〟と伝えたいときには、

Please don’t take things so seriously.

と言ってあげると、少しは元気づけることができるかもしれません♡

言葉巧みにラプンツェルを惑わすゴーテル…
〝良い子は真似しないでね!〟ポイント満載のヴィランではありますが、日常でも役立つ台詞はどんどん真似しちゃいましょう!

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