【怪奇ゾーン グラビティフォールズで英語学習】命令文と and を組み合わせて… スースの絶妙(?)な切り返し

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英文法的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った台詞を、文法の解説とともにご紹介♪

今回は「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」のシーズン1第12話「サマーウィーンの恐怖」より、命令文+ and を使った表現が登場するスースの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】サマーウィーンのお買い物にて…

今回取り上げる台詞はこちら。

Ma’am, make these heads less hilarious and you got yourself a deal.

怪奇ゾーン グラビティフォールズ シーズン1第12話 サマーウィーンの恐怖 00:00:42~

ミステリーハウスのマスコット的存在であるスースの台詞です!

ハロウィーンならぬサマーウィーンの買い出しにやってきたミステリーハウスご一行。
棚に並んだおしゃべりする頭蓋骨のおもちゃに夢中になったスースは、何度も頭蓋骨をしゃべらせて遊び始めます。
当然店員さんは、商品で遊ばないで!とスースに注意。
それに対するスースの返答がこちらの台詞です。

現代的なジョークがふんだんに盛り込まれているのが「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」の大きな特徴です。
なかなか一筋縄では読み解けない台詞も多いですが、そのぶんおもしろさを理解できたときの達成感はひとしお

この台詞も、命令文+ and を巧みに使った表現で、思わずクスッとなってしまうような切り返しをスースが披露してくれていますので、一緒に読み解いていきましょう♪

【今回の注目ポイント!】命令文 + and

Ma’am, make these heads less hilarious and you got yourself a deal.

まず今回注目していただきたいのは、この黄色いマーカーの箇所。

女性への呼びかけの言葉である ma’am を除くと、この文は make という動詞でスタートしています。
動詞で始まる文といえば、命令文
その名の通り、誰かに〝○○しなさい〟と命令する文です。

だけど、店員さんに注意されているのに対して、命令文で返答している、というのもなんだか妙ですよねえ。

そこでポイントとなってくるのが、文の中間に登場する and です!

命令文の後ろに and でさらに文を続けることによって、〝○○しなさい〟の後ろに〝そうすれば○○になりますよ〟という〝命令に従ったらどうなるか?〟というその結果を提示することができるのです。

たとえばこんな感じ!

Study hard, and you will pass the test. (一生懸命勉強しなさい、そうすれば試験に合格しますよ。)

今回のスースの台詞も、上記の文と同じ構造と考えられます。

スースは店員さんにどうしてほしいと伝えたのか?
そして店員さんがそうすることによって、どんな結果になると言っているのか?

そこに注目しながら読み解いていきましょう!

・命令文 + and で〝○○しなさい、そうすれば…〟というように、
 命令文の内容に相手が従うとどんな結果になるかを提示することができる

【読解 tips】ネットでよく見る? hilarious の意味とは… etc.

続いてその他の細かい単語のチェックです!

Ma’am, make these heads ②less ①hilarious and you got yourself a ③deal.

①【単語】hilarious … とても面白い、こっけいな

この台詞の中で最も耳慣れない単語は、この hilarious ではないでしょうか?

辞書を引くとまず「とても面白い」という訳語が出てきます。
が、その次に「こっけいな」という訳語が載っているように、 hilarious は、〝興味深い〟や〝ワクワクする〟というよりも、〝ウケる!〟という意味での〝面白い〟を表す単語です。

ちなみにディズニーの公式 X (旧 Twitter)アカウントで hilarious という単語を検索してみると…

真っ先にヒットしたのが、ディズニー長編アニメーションの中でも特に全力でコメディに全振りしている『ラマになった王様』のワンシーンを紹介するポストでした 笑

英語ネイティブのかたが更新している SNS をフォローしていると割と頻繁に見かける単語ですので、覚えておいて損はない単語ですよ~♪

②【単語】less … [他のものと比較して]ほど…でなく

順番が前後しましたが、 hilarious の前に less という単語があります。

little の比較級であるこの単語、形容詞や副詞の前に置かれると、他のものと比較して〝他のものほど…ではない〟という意味を表します。

My dog is less large than yours. (私の犬はあなたの犬ほど大きくない。)

今回の台詞では比較対象となるものがはっきりと書かれているわけではありませんが…
these heads は頭蓋骨のおもちゃのことを指しているので、それが今よりも面白くない状態を指していると考えてよいでしょう。

③【単語】deal … 取引、契約

deal の意味は「取引」「契約」
このブログでも取り上げた『リトル・マーメイド』の中でも、アースラがアリエルと契約を結ぶ際に使っていた単語です。

ここでは、命令文の内容を店員さんがしてくれれば、スースが〝これ以上頭蓋骨のおもちゃで遊ばないでほしい〟という要望を受け入れる、という、一種の〝取引〟が成立するという意味で、この単語が使われているものと思われます。

ちなみに… 今回の台詞と若干表記は異なりますが、 You’ve got yourself a deal. というフレーズが〝取引成立〟が転じて〝いいよ!〟〝オッケー!〟という同意の返答として使われることも多くあります。

【和訳に挑戦!】商品で遊んでしまうのは君のせい!?

最後の仕上げとして、ここまでの内容を総まとめ。
今回のスースの台詞を日本語に直訳してみましょう。

Ma’am, make these heads less hilarious and you got yourself a deal.

まずは命令文である make these heads less hilarious の部分から訳していきましょう。

この場面では、お店のハロウィーン…じゃなくて〝サマーウィーン〟グッズ売り場に喋る頭蓋骨のおもちゃがずらりと並んでいるので、 these heads はそのおもちゃのことを指してます。

そしてこの make はいわゆる S + V + O + C という第5文型の文を作る動詞
O を C の状態にする〟という日本語訳になるので、〝これらのおもちゃを less hilariousにする〟という意味になります。

less hilarious は、前項でも見た通り、今よりも面白くない状態、ということを表しているので、この命令文全体でいうと…
〝これらの骸骨のおもちゃを、もっと面白くないものにして〟
とスースは店員さんにお願いしていることになります。

ここで今回の台詞の最大のポイントをもう一度おさらい!
命令文 + and で〝○○しなさい、そうすれば…〟という意味になるんでしたよね!
では、このスースのお願いを店員さんがきいてくれたら、一体どんなことが起きるのか?
それが先ほど deal の解説の項でチェックした内容、つまり売り物のおもちゃでは遊ばないで!という店員さんの要求をスースが聞き入れる、ということが起きるわけです!

なので、台詞全体を訳するとなると…
〝店員さん、これらの骸骨をもっと面白くないものにしてくれたら、あなたの言うことをきくよ〟
という感じでしょうか。

ですが、ぶっちゃけ店員さんにこの骸骨のおもちゃの仕様をもっと面白くないものに変えることって、実質不可能では!?

ということで、日本語吹替の訳はこうなっていました。

Ma’am, make these heads less hilarious and you got yourself a deal.
だってこのドクロ、おもしろすぎてやめられないよ

…要するに、このおもちゃをもっと面白くないものにしてくれたら遊ぶのをやめられるけど、実際はとてもおもしろいのでやめられない!というのが、スースの真意。
その部分をくみとっての日本語吹替の訳になっているようです。

なんともまわりくどい表現ですが、英語の台詞がメインの映画やドラマ、特に台詞で笑わせるタイプのコメディ作品には、こういう少しややこしい言い回しがよく登場します。
ここまで理解できるようになれば、英語で楽しめる作品の幅もぐぐっと広がります!
ぜひ楽しみながら読解してみてくださいね♪

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