【怪奇ゾーン グラビティフォールズで英語学習】実は数えられません!ハロウィーンに欠かせない意外な不可算名詞

学習記録

Momijiが実際にDisney+の作品を使って勉強する中で、英文法的に〝気になるな〟〝おもしろいな〟と思った台詞を、文法の解説とともにご紹介♪

今回は「怪奇ゾーン グラビティフォールズ」のシーズン1第12話「サマーウィーンの恐怖」より、意外な不可算名詞が登場するサマーウィーントリックスターの台詞を取り上げます。

【今回の台詞】化け物からの無茶振りミッション

今回取り上げる台詞はこちら。

If you can collect 500 pieces of candy and bring it to me before the last Jack-o’-melon goes out, I will let you live.

怪奇ゾーン グラビティフォールズ シーズン1第12話 サマーウィーンの恐怖 00:06:12~

このエピソードのゲストキャラであり、サマーウィーンのお祭りを恐怖のどん底に突き落とすモンスター〝サマーウィーントリックスター〟の台詞!

説明しましょう!
〝サマーウィーントリックスター〟とは、サマーウィーンを楽しむ心に欠けた子どもを食べてしまう伝説の化け物(スース談)。

当初はメイベルと一緒に仮装して〝お菓子かいたずらか〟をする気満々だったディッパーですが、憧れのウェンディにパーティーに誘われて心がぐらり。
メイベルに仮病を使ってまで、ウェンディとのパーティーを優先しようとします。

そんなディッパーに罰を与えるかのごとく現れたのが、本物のサマーウィーントリックスター!
〝命が惜しければ俺の指示に従え〟と、ディッパーとメイベル、そしてその仲間たちに、あるミッションを課してきます。
そのミッションの内容を説明するのがこの台詞というわけです!

このミッションにはハロウィーンに欠かせないあるアイテムが関わってくるのですが、そのあるアイテムが実は不可算名詞(数えられない名詞)だってこと、みなさんご存知でしたか?
ということで、今回の記事では、このサマーウィーントリックスターの台詞を教材に、不可算名詞について深掘りしていきたいと思います♪

【今回の注目ポイント!】 candy は実は不可算名詞!

If you can collect 500 pieces of candy and bring it to me before the last Jack-o’-melon goes out, I will let you live.

今回注目したいのは、 candy という単語が含まれたこの一節
お馴染みの単語に見えて、意外な落とし穴が隠れている単語です。

〝candy =キャンディ〟ではない!?

まずは candy という単語の意味について。
日本語の感覚からすると、〝キャンディ〟と聞くと、いわゆる飴玉的なお菓子をイメージする人が大体数だと思います。
しかし、英語の candy は飴玉に限らず、チョコレートなども含めたもっと幅広いお菓子を指す語

実際に、この場面よりももう少し前、ディッパーが〝しょぼいお菓子〟に文句を言っている場面の台詞を見てみると…

Sand Pop? Gummy Chairs?
サンドポップ? 椅子のグミ?

Mr. Adequate-Bar?
ミスター普通のおいしさバー?

怪奇ゾーン グラビティフォールズ シーズン1第12話 サマーウィーンの恐怖 00:02:47~

グミやチョコバーのようなお菓子も登場していることがわかります。
英語ではいろんな種類の小粒なお菓子を総合して candy と呼んでいるのです!

このことを踏まえた上で、次の項へ進みましょう!

家具もお菓子も…英語では〝数えられない〟!

candy がいろんなお菓子のことをまとめて指す語だというだけなら〝なるほど、そうなのか!〟で済む話なのですが…
それによって文法的な落とし穴が発生してしまうのが、英語の難しいところであり面白いところ!

たとえばハロウィーンの出来事を説明するのに、
〝私はその男の子にお菓子を3つあげたよ〟
と言いたい場合。

I gave the boy three candies.

…という英文を考える人が多いと思いますが、実はこれは不正解
いろんな種類のお菓子をまとめて表す candy は不可算名詞、つまり〝数えられない名詞〟
なので、〝数+ candies〟で〝○個のお菓子〟と言い表すことができないのです!

ではどう表せばいいかというと、その答えが今回のサマーウィーントリックスターの台詞にあった、あのフレーズです。

500 pieces of candy

こんなふうに〝数 + pieces of candy〟という言い方で〝500個のお菓子〟(多!)という意味を表します!

ちなみに、不可算名詞の数を表すときに piece を使う方法は、「家具」という意味の名詞 furniture でも使われます。
(学校の授業で不可算名詞の例としてよく取り上げられるのはこの furniture ですね)

There are three pieces of furniture in this room. (この部屋には家具が3つある。)

ところで、
〝お菓子も家具も数えられるのに、どうして不可算名詞なの…?〟
と疑問に感じる方もいると思います。
これはなかなかわかりにくい感覚なのですが…
candy も furniture も、〝チョコ〟や〝椅子〟など一種類のものについてではなく、〝お菓子〟や〝家具〟などジャンル全体の大きなくくりを表す単語だというところに、不可算名詞である理由があると言われています。

…と、口で説明するのは簡単ですが、この辺の判断は、英語が母語でない私のような人間にとってはなかなか難しいところ。
こうして該当する単語に出会ったタイミングで、辞書を引いて解説を確認しながら、ひとつひとつ覚えていくのが、結局のところいちばんの近道だと思います…!
私も現在進行形でこうして知識を増やしている真っ最中なので、また似たような単語が出現したときには、ぜひこのブログで報告させてくださいね!笑

・candy という単語は、チョコレートやグミなど、いろんな種類のお菓子全体を表す総称

・〝○個のお菓子〟という表現をしたいときは、 three candies ではなく、
 three pieces of candy というふうに、 piece という単語を使って表す

【読解 tips】カボチャを使わないジャック・オ・ランタン!? etc.

続いてその他の細かい単語や文法事項のチェックです!

①If you can collect 500 pieces of candy and bring it to me before the last ②Jack-o’-melon ③goes out, I will ④let you live.

①【文法】if … 条件を表す接続詞

文頭に接続詞の if を発見!
コンマまでを「もし…ならば」と訳すタイプの、条件を表す接続詞が使われた典型的な文ですね!

サマーウィーントリックスターがどんな条件を提示しているのか、しっかり読み取ってあげましょう♪

②【造語】Jack-o’-melon

今回のエピソードのタイトル自体が Summerween という summer と Halloween を組み合わせた造語ですが、グラビティフォールズならではの面白造語は他にもあります!
そのひとつがこの台詞にも登場する Jack-o’-melon

実際にこのエピソードを見ていただくとわかるとおり、サマーウィーンのお祭りでは、カボチャではなくスイカをくり抜いて作ったジャック・オ・ランタンが町のあちこちに飾られています。

ここまで説明すれば、もうおわかりですよね?
Jack-o’-melon とは、 Jack-o’-lantern と watermelon 「スイカ」を組み合わせた造語
吹替では一貫して「スイカランタン」と訳されています。

スイカの旬の季節が来たら、みなさんも是非作ってみてください!笑

③【イディオム】go out … 〈火・電灯などが〉消える

「外出する」という意味のイメージが強いイディオムですが、「交際する」「流行しなくなる」など、実は他にもいろんな意味があります

ここでは主語が先ほど紹介した「スイカランタン」こと Jack-o’-melon なので、「〈火・電灯などが〉消える」という意味がいちばんしっくりきますね!

④【文法】let … 使役動詞

言わずと知れた使役動詞の代表格 let がここで登場。
let の後ろに目的語と動詞の原形(厳密には原形不定詞)を置いて、「O 〈人〉に(望み通り)…させる」「…することを許可する」という許可の意味を表します。

サマーウィーントリックスターは、ディッパーたちに何を許可してくれるというのでしょう…?

【和訳に挑戦!】命がけのトリック・オア・トリート

最後の仕上げとして、ここまでの内容を総まとめ。
今回のサマーウィーントリックスターの台詞を日本語に直訳してみましょう。

If you can collect 500 pieces of candy and bring it to me before the last Jack-o’-melon goes out, I will let you live.

まずは「もし…ならば」の部分にあたる if 節から。
ここでサマーウィーントリックスターはディッパーたちに2つの条件を課していますね。
1つ目は collect 500 pieces of candy、つまりお菓子を500個集めること!
2つ目は bring it to meそのお菓子をサマーウィーントリックスターのもとに持ってくること。
しかもそこに before the last Jack-o’-melon goes out 、〝最後のスイカランタンが消える前に〟という一節が加わっています。

これらの情報を総合すると…
もしお前たちがお菓子を500個集めて、最後のスイカランタンが消える前に俺の前に持ってくることができれば
という意味になります。
(before the last Jack-o’-melon goes out が bring ~ だけにかかるのか、それとも collect ~ と bring ~ の両方にかかるのかは、私も迷うところなのですが… そのあたりはこのあと紹介する日本語吹替の訳に準じています)

そして台詞は後半戦へ。
お菓子500個を差し出すことができれば、ディッパーたちはどうなるのかというと…
I will let you live 、〝お前たちを生かしてやる〟と言われているわけですね!

…ということは、すなわち、サマーウィーントリックスターにお菓子を渡さなければ、ディッパーたちは殺されてしまうということじゃないですか~~~!

そんなとんでもない要求が含まれているこの台詞、公式の日本語吹替の訳はこのようになってしました。

If you can collect 500 pieces of candy and bring it to me before the last Jack-o’-melon goes out, I will let you live.
お前たちでお菓子を500個集めるのだ。そして最後のスイカランタンが消える前に持ってくれば命は助けよう

長い文章を2文に分けることで、とてもわかりやすい訳になっていますね!
サマーウィーントリックスターの、ただ恐ろしいだけではない、紳士的で冷静な立ち居振る舞いにもしっくりとハマる、素敵な日本語訳だと感じました♡

…って、ヴィランに惚れ惚れしている場合ではありませんよね!笑
candy の正しい数え方もわかったことですし、ここからはディッパーたちのお菓子集めを全力で応援していきましょう!
サマーウィーンの夜を生き延びるために、目指せ、 500 pieces of candy!

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